第五款 著作権の制限
<中略>
(引用)
第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
2 国若しくは地方公共団体の機関又は独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。
ご質問の「昔の作品」が具体的に何かは存じませんし、誰が制作したかも分からないので答えにくいですが、著作権法では「著作者の死後50年までが原則」です。
頭の中にあるのは、著作権者と出版社の間に約束があるものです。
http://www.hatena.ne.jp/1069752380#
昔の作品を雑誌に再録する場合、その旨を明確に表示する義務・必要はあるのでしょうか?参考になるページを教えてください。.. - 人力検索はてな
URLはダミーで失礼します。
基本的に、一つの著作物が出版物として発表される場合、
そこには原著作者の持つ固有の権利の他、
デザイン、編集、その他様々な作業によって成立してくる
それぞれの著作権が存在しますよね。
また契約のあり方によっては
その著作物の出版に係る著作者の権利の行使の一部または全部を
出版社などに委譲していることもあります。
仮に再録作品が自己の作品であっても、
その利用がそうした他者の管理する権利に及ぶ場合は、
再録にあたってそのあたりをクリアしておく必要が出てくるわけです。
たとえば編集者が加えた校正の結果やルビふりなどについて
再録にそれが反映される場合は底本とした出版元の許諾が必要です。
公募作品などで著作権が出版社に帰属すると
明示されていた作品についても同様です。
しかしそうした権利関係の全くない作品であれば
法律上は何の制約もありません。
原著作者の著作権と著作者人格権を侵すものでない限り
再録は全く問題なく行えます。
ただしその場合も出版の刊行として初出を明示するのは礼儀であり、
また後世の研究者の便を図る上でも重要です。
さらに版によって原稿内容に差異があるものの場合は、
再録にあたって底本となったものも同様に明示することが求められてきます。
以上、ご参考まで。
再録を明示するのは、基本的には「礼儀」もしくは「読者の便宜を図るための配慮」ということなのですね。
例えば論文などでもそうなのでしょうか?
http://news.braina.com/2002/0619/judge_20020619_002_0005___.html
【東高裁】2次的著作物の引用は、その著作者の明示が必要 2002/06/19(水) 20:47:13
【東高裁】2次的著作物の引用は、その著作者の明示が必要
書かなくていい条件
Q : 他の出版物に掲載された記事の一部を本文中で引用したいのですが,どのような点に注意すればよいでしょうか?
の回答に引用内容があります。論文としての引用だからかひつこいように詳しい出典です。
では、どの程度省略していいかとなると…
みつかりません。
やっぱり出典者の了承を経てとなるようです。
参考になります。ありがとうございます。
やっぱり出典者⇔出版者の話し合い、ということなのでしょうか。
基本的には、masaomix氏の仰るとおりだと考えます。それを踏まえ、いろいろな学会の投稿規定を見ました。学術論文という性格上故に既知の研究発表を再掲載は考えられてなく、殆どの場合該当規定がありません。総論的な物は(編集者の依頼等で)同じ学会誌に再掲載されてもおかしくはないかもしれず、その場合には、初出が書かれています。また、紹介のURLには、他紙に掲載された論文の扱いが書かれてます。初出は必須になってます。
最終的には、再掲載される出版社の考え一つで初出が実際に載せられるかは決まると思われます。文芸書等の作家と違って、学術論文の場合にはデータベースで検索できるので初出を探しやすいのですが、選考者の便宜を考えると、投稿するときには添付したほうがよいと思います。
尚、復刊を扱う書店に少し聞きましたところ、初出の雑誌・本の表示を必ず表示すると決めていないが、初版日が古い時、本の内容・装丁等が初版本とあまり変更せずに復刊できた時、出版社が変った時には初出を入れるようしているそうです。これも、masaomix氏の仰るように「親切・礼儀」によるものでしょう。
最後の文章は参考になります。文庫本などはよく出版者が変わりますが、単行本や前の版の出版年月日と出版社は記してありますよね。あれも「礼儀」なのですね。
またまたURLはダミーで失礼します。
「例えば論文などでもそうなのでしょうか?」とのことですので
追記させていただきます。
論文は、ほとんどの場合、研究者か学生が
研究の用に供するか勉強のために読むわけですから、
同一の学会や報告会で発表された論文であるとか、
同時期に発表された論文であるとか、
同じグループに属する研究者の他の論文であるとかを調べて参照する機会が多く、
文学作品やエッセイといった読み物などに比べてさらに強く
初出の明示が求められるんですよね。
特に論文の場合は初出の書籍雑誌名だけでなく、
・題名
・執筆者
・掲載誌名
・発表年月日
・巻号
・通巻
・ページ
といったものを詳細に記すのが慣例で、
国文学や国史といった一般に日本国内だけで用いられるもののほかは
日本語で書かれた論文であっても英語表記も添えておくのが普通です。
卒業論文や学位論文、社内論文、公募論文といったものでも、
将来執筆者が大きな業績をあげてくると
一躍再録物の出所を知りたがられるようになりますから、
やはりこの場合でも初出の明示は大切ですね。
巻末にまとめて初出一覧としてでもいいですから、
極力きちんと明示していくことが、
再録本そのものの価値を高めることにもつながると思います。
まとめていただきありがとうございました。
最近「近代麻雀」という雑誌に、10年前くらいのマンガが再録され、コンビニ売りの書籍としても再刊されたのですが、初出はおろか、再録である旨すら書かれていなかった事が質問のきっかけです。
とりあえず、表記の義務はなく、基本的には著作権者と出版者の問題である、ということは分かりましたので、終了いたします。
えっと、答えはどこにあるのでしょうか?
ちょっと見つけられませんでした。申し訳ない。
法律があればもちろんあげていただきたいのですが、
慣行・マナーとしてはどんな感じでしょうか。