自殺した高僧はクアン・ドゥック師です。1963年6月11日午前10時ごろ、サイゴン(現ホー・チ・ミン市)の目抜き通りで、衆人注視のなかガソリンをかぶって焼身自殺しました。
当時、カトリック教徒のゴ・ジン・ジエム大統領は、政府の要職にカトリック教徒を重用しました。一方、圧倒的多数派だった仏教徒を弾圧、仏教徒の宗教的自由を制限する政令を布告しました。
63年5月に仏教旗の掲揚さえも禁止。古都フエで抗議のため仏教旗を掲げて集まった群衆に、装甲車の政府軍が発砲し9人が殺されました。
サイゴンでも仏教徒の抗議デモが激しさを増しました。政府側は放水や催涙弾で阻止を図りましたが、非暴力のデモを鎮圧できませんでした。クアン・ドゥック師の抗議の焼身は、そのような背景のもとで起こりました。
よくわかりました、ありがとうございました