資本金を1億円超にする事による、税務面でのメリット・デメリットを教えてください。
税務でのメリットは見当たりません。
デメリットは、以下のようなものです。
増資による問題点
増資後の資本金が1億円超となった場合には税務上さまざまな問題点があります。主なものは
次の通りです。
(1)年800万円以下の所得についても法人税率が22%から30%にアップ。
(2)30万円未満の少額資産を取得した場合の全額損金算入の特例の適用不可。(10万円未満は可能)
(3) 事業税の外形標準課税の対象となる。(利益が生じない場合でも一定の事業税が生じる)
(4) 交際費の定額控除制度の適用不可。
(交際費の全額が経費とは認められなくなるため法人税が増加する)
(5) 機械等を取得した場合の税額控除・特別償却の適用ができなくなる。
それを回避するための方法も考えられています。
増資により資本金が1億円超となってしまった場合に上記のように税負担が増加するという問題が発生します。そのため、増資時において増資額の全額を資本金とするのではなく、1/2を資本準備金とすることにより、上記の問題は回避できます。資本金の金額にこだわる場合は仕方がありませんが、自己資本比率が増加すればOKということでしたら資本金も資本準備金も同じです。(共に資本の部に表示されます。)なお、1億円まで資本金が増えない場合でも、増資により法人住民税の均等割(赤字でも支払う固定部分)は増えることもあります。
たぶん、法人税の回答が多いでしょうから、住民税に絞ってお答えします。
http://www.rakucyaku.com/Koujien/M/K10/K100200
法人住民税均等割が上がります。
県民税5万円→13万円
市民税(市内の従業者50人以下)13万円→16万円
(市内の従業者50人超) 15万円→40万円
また、法人住民税法人税割の教育訓練費・試験研究費の特別控除も受けられなくなります。
わが国では、中小企業が優遇されているので、税制上のメリットは聞いたことがありません。
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