私の住む地域では、市役所が商品券を発行しており、地元の協賛企業で使うことができます。地域通貨の一種……でしょうか?
(販売しているのではなく、育児や高齢者の支援・市の事業の協力謝礼等として配布される。その他細かいことはコメント欄にて)
この施策の目的は、地元産業の振興だろうと思います。地域商品券が、地域内の消費を刺激するのは理解できます。その分、自治体の税収も増えるのでしょう。
そう考えれば、地域住民みんながメリットを享受しているわけです。
しかし、何事にもデメリットはつきもののはず。
地域商品券に、経済的なデメリットはないのでしょうか?
例えば、商品券が貨幣代わりに流通することで、局地的インフレが発生しているはずと思います。
商品券で支払いを受けて円で税金を払わされる企業にとって、商品券はありがたいのかどうなのかも考えたのですが、経済は不案内でちょっとわかりませんでした……。
自治体・住民・協賛企業・非協賛企業などそれぞれについて、考え得るメリット・デメリットを説明してください。
よろしくお願いします。
自治体が配布したり、地域商品券を11000円分を10000円で売っていたりする例が各地にありますが、まず利用者のデメリット。
欲しいものを欲しい価格で手に入れられない、ほしい場所でつかえない面。またその分の住民税負担を強いられている面。
当然地域内通貨は地域内でしか利用できないので、他の地域や大手小売店なら安く買えてもその地域で買わざるを得ないことがデメリットとは言えませんか?
また、お釣りが出ないタイプの場合は現金も出す必要があり、実質安くならない場合も出てくるでしょうね。
(たとえば、他地域だと1万円のものを購入するのに、地域内では11500円。券面1000円分だけが手許に残っている場合でどうしても使いたい場合など。逆に地域小売業者にとってはメリットがありますね)
税負担については、利用目的を定めない現金同等物をあげてしまうことに抵抗を感じる方もいるでしょう。
しかし逆の発想をすれば、自治体がお抱え団体を使ってたとえば屋根修理の助成金を出す場合、指定業者制により高い金額になりますが、
地域通貨で定額を補助する場合は指定業者以外でも利用できるため競争原理が働き、価格の抑制力により指定発注で補助するより安く済むことが考えられます。
>例えば、商品券が貨幣代わりに流通することで、局地的インフレが発生しているはずと思います。
>商品券で支払いを受けて円で税金を払わされる企業にとって、商品券はありがたいのかどうなのかも考えたのですが、経済は不案内で
>ちょっとわかりませんでした……。
小売店などの協力事業者は、商品券を自治体で現金と交換するので永遠に流通することはありません。月に一度か2度まとめて換金します。
他事業者への支払などには原則利用できません。
また地域の中小小売店の活性化のための商品券ですから、大手事業者は協力事業者になれません。ここミソです。
東京都中央区ハッピー買い物券の例
http://www.city.chuo.lg.jp/kurasi/sigoto/kyotukaimonoken/index.h...
>自治体・住民・協賛企業・非協賛企業などそれぞれについて、考え得るメリット・デメリットを説明してください。
概ね上記のとおりですが
1.自治体・・・安価に簡単な基準で金銭補助ができる反面、利用目的を定めることができない。
また、新たな事務が発生するためにそのコストがかかる。
2.住民・・・メリットを享受できる人は良いが、享受できない人には不公平感がある。
3.協賛企業・・・利用機会が増え、新規利用客の集客も見込める。また、その地域にあるが故にわざわざ買ってもらえる。
しかし換金されるまでに時間がかかるためキャッシュに余裕が必要なこと、現金以外でも現金同等物として管理や計算、 自治体への申告などの事務作業が必要。
4.非協賛企業・・・メリットはないが、協賛企業に顧客を奪われるリスクがある。利用できないことでの機会損失がある。
手間を考えると導入を躊躇することも。
また、参入したくても中小に絞られているため、大手では利用できないようになっていることが多い。
自治体が配布したり、地域商品券を11000円分を10000円で売っていたりする例が各地にありますが、まず利用者のデメリット。
欲しいものを欲しい価格で手に入れられない、ほしい場所でつかえない面。またその分の住民税負担を強いられている面。
当然地域内通貨は地域内でしか利用できないので、他の地域や大手小売店なら安く買えてもその地域で買わざるを得ないことがデメリットとは言えませんか?
また、お釣りが出ないタイプの場合は現金も出す必要があり、実質安くならない場合も出てくるでしょうね。
(たとえば、他地域だと1万円のものを購入するのに、地域内では11500円。券面1000円分だけが手許に残っている場合でどうしても使いたい場合など。逆に地域小売業者にとってはメリットがありますね)
税負担については、利用目的を定めない現金同等物をあげてしまうことに抵抗を感じる方もいるでしょう。
しかし逆の発想をすれば、自治体がお抱え団体を使ってたとえば屋根修理の助成金を出す場合、指定業者制により高い金額になりますが、
地域通貨で定額を補助する場合は指定業者以外でも利用できるため競争原理が働き、価格の抑制力により指定発注で補助するより安く済むことが考えられます。
>例えば、商品券が貨幣代わりに流通することで、局地的インフレが発生しているはずと思います。
>商品券で支払いを受けて円で税金を払わされる企業にとって、商品券はありがたいのかどうなのかも考えたのですが、経済は不案内で
>ちょっとわかりませんでした……。
小売店などの協力事業者は、商品券を自治体で現金と交換するので永遠に流通することはありません。月に一度か2度まとめて換金します。
他事業者への支払などには原則利用できません。
また地域の中小小売店の活性化のための商品券ですから、大手事業者は協力事業者になれません。ここミソです。
東京都中央区ハッピー買い物券の例
http://www.city.chuo.lg.jp/kurasi/sigoto/kyotukaimonoken/index.h...
>自治体・住民・協賛企業・非協賛企業などそれぞれについて、考え得るメリット・デメリットを説明してください。
概ね上記のとおりですが
1.自治体・・・安価に簡単な基準で金銭補助ができる反面、利用目的を定めることができない。
また、新たな事務が発生するためにそのコストがかかる。
2.住民・・・メリットを享受できる人は良いが、享受できない人には不公平感がある。
3.協賛企業・・・利用機会が増え、新規利用客の集客も見込める。また、その地域にあるが故にわざわざ買ってもらえる。
しかし換金されるまでに時間がかかるためキャッシュに余裕が必要なこと、現金以外でも現金同等物として管理や計算、 自治体への申告などの事務作業が必要。
4.非協賛企業・・・メリットはないが、協賛企業に顧客を奪われるリスクがある。利用できないことでの機会損失がある。
手間を考えると導入を躊躇することも。
また、参入したくても中小に絞られているため、大手では利用できないようになっていることが多い。
回答ありがとうございます。
>住民税負担を強いられている
それはもちろんありますね。というか、行政のあらゆる施策がそうであろうと思います。
>その地域で買わざるを得ないことがデメリット
そうでしょうか?
もちろん、給与が商品券で支払われる、とかいう環境ではそうでしょうが、給与は通常通り受け取っており、そこにいわば「おまけ」として商品券をもらっているならば、デメリットというほどのものではないような。
(市役所職員が半強制的に商品券を買わされる地域もあるそうですが……。戦争国債か)
>実質安くならない場合も
そうですねえ……。
千円以下の買い物をする時には不便かも知れませんね。
有効期限がないので「どうしても使いたい」という状況はなく、それほど気にはなりませんが……。
むしろ、「800円の買い物をしたいが、財布の中には現金200円と商品券しかない」とかいうせっぱ詰まった状況の方がありそうかも知れません。個人的には。
>たとえば屋根修理の助成金を出す場合
すみません、理解力が足りませんでしたので確認させてください。
つまり、
「屋根の修理をするなら○○万円の助成金を支払いますよ。ただし業者A・B・C……のどれかを使うなら」
という場合より、
「屋根の修理をするなら○○万円の助成金を支払いますよ。ただし商品券で」
という場合の方が、建設業者間の競争が促される、ということでしょうか。
それは事実そうだろうと思います。
……けど、建設業者にそういう競争を促すのはこの施策の目的なのだろうか。
いや、助成金として支払われた商品券はどのみち地元に流れるわけで、そういう面では目的を達しているとは思うのですが。
>月に一度か2度まとめて換金します。
ああ、そういうものなのですか。
なにか、商品券を受け取った文房具屋の奥さんが、今度はそれを持って向かいのスーパーに……とかいう図を想像していました。
原則全額換金されて、市役所がそのための資金をプールしているのだとすれば、確かにインフレにはなり得ませんね……。
ていうか、むしろ消費活動を鈍化させているような気も……。
>キャッシュに余裕が必要
確かに。
>管理や計算、自治体への申告などの事務作業が必要。
結局は、地元の客が増えるメリットと、事務の手間が増えるデメリットを秤にかけるわけでしょうね。
参考になりました。
ありがとうございました。
商品券の原資はどこから来ているのでしょう.
ほぼ間違いなく,税金だと思います.コメント欄で「換金に手数料がかかる」という書き方をされているので,おそらく1000円の商品券を発行するのに約1000円の税金が使われていて,そのうちわけは「換金額」+「発行コスト」になるのでしょう.つまり,およそ1000円の税金を原資に1000円分のコストの商品券を発行しているので,別に通貨の供給量が増えているわけではありません.インフレとは無縁です.
次に,個々のメリット・デメリットですが,
「協賛企業」は,お客からもらった商品券を換金するか,他の協賛企業との決済に利用するかを選ぶことができます(とコメント欄から推測しました).しかし,企業間決済を(銀行を介さず)現金で行う,というのは不便ですので,よほどの零細商店でもない限りほとんどの商品券に関しては換金を選択する(せざるを得ない)でしょう.この場合,換金の手数料分はその企業にとって損失になります.しかし,商品券を持っている人は,その商品券を使える企業から品物を買おうとするので,労せずしてお客が増えることになります.これは利益になります.損得は,手数料の金額と集客効果による増益と,どちらがより大きいかになります.つまり,競争力がない,魅力のない(商品券でもなければお客が寄り付かないような)企業や商店ほど得になりますし,そもそも集客力がある商店はあまり得をしない=損をしがちである,といえると思います.
「商品券をもらった人」は,本来は現金で受け取るべき謝礼や補助金が(使途が限定された)商品券になってしまうため,不便を強いられることになります.使途が限定される=流動性が低い資産を持たされてしまうわけで,経済用語的に「流動性プレミアム」の分だけ損をしていることになります.これがどのくらいの損かは,ざっくり言ってどのくらい不便かによって定まります.「使い道に困らない」というのが本当であれば,ほぼゼロに近いでしょう.
「自治体」は,「手数料=発行費用」のとき,損も得もしません.発行費用より多くの手数料を取っていれば,その分の得,逆であればその分の損になります.しかし,自治体の運営費用は税金で賄われていることを考えると,その分の損得はすべて納税者である自治体住民や企業の損得に還元されます.
「地域(自治体)住民」の損得は,(商品券をもらう機会がない限り)上記の自治体の損得によって定まります.
一番わりを食うのは,その自治体もしくは近隣の「非協賛企業」です.何も悪いことをしていないのに,「協賛企業」にお客が流れていってしまうため,その分が損失になります.
ということで,まとめますと,上記の中で最も得をするのは(手数料の額にもよりますが)「競争力がない,普段は客が寄り付かないような協賛企業」で,最も損をするのは「その自治体もしくは近隣の非協賛企業」になります.また,換金手数料より発行費用のほうが多ければ,その分は納税者の損失になります.逆であれば得になるのですが,おそらくそれは考えにくいと思います(後述の「裏で儲ける」人が儲からなくなる).
と,ここまでは経済的なお話ですが…
こういう話には大抵の場合,裏で儲ける人がいるんですよね.たとえば,つぶれかけの商店街を地盤に持つ地方議員とか,自治体から商品券の発行を委託されて手数料収入を得る(おそらく)天下り法人とか.
という政治的なお話も絡めると,一番得をするのはこれらの連中であることが予想されます.地域振興券(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E6%8C%AF%E8%88%8...)と似た構図ですね.
なんていう歪んだ話になりがちなので,地域振興券とか地域商品券とかの話は地域振興の手段として「筋が悪い」とされています.少なくともまともな経済学者でこのアプローチを支持している人を見たことがありません.
すみません,つい長文になってしまいましたが.
回答ありがとうございます。
>別に通貨の供給量が増えているわけではありません.インフレとは無縁です.
やはり全額換金されているのでしょうか。
>競争力がない,魅力のない(商品券でもなければお客が寄り付かないような)企業や商店ほど得になります
手厳しい。
>本来は現金で受け取るべき謝礼や補助金
確かにそう考えると、一定の「不便を強いられている」わけですね……。
どうせだったら現金でくれよ、という。
私の場合は大してもらうわけではないので不便は感じませんが、定期的に大量に受け取る人はあるいは不便かも知れません。
>一番わりを食うのは,その自治体もしくは近隣の「非協賛企業」です
薄々感じてはいましたが、わりと保護主義的な施策だったのですね。
「地域経済の振興」と言えば聞こえは良いですが。
(反グローバリズム……とまで言うと大げさに過ぎるでしょうか)
>つぶれかけの商店街を地盤に持つ地方議員とか,自治体から商品券の発行を委託されて手数料収入を得る(おそらく)天下り法人とか
ぎゃあ。
ううん、あまり陰謀論的な解釈をしたくはありませんが。
しかし、そういう「悪い人」も一定数いる、という前提で見た方が良いのでしょうね……。
>まともな経済学者でこのアプローチを支持している人を見たことがありません.
そうですか……。
田舎の市役所に経済の専門家がいないのは驚くには当たりませんが……。
>つい長文になってしまいましたが.
いえ、長文大歓迎です。
ありがとうございました。
重複するところがある知れませんが、一消費者の感想としてのご回答です。
1.使用期限があるのがイヤ 使用期限が短い
2.お釣りが出ないので使いにくい
3.商品券で売ってやっているという顔を店側がするので生意気だ
どうして、こういう態度が出来るのでしょう、情けないです。
4.使える店、つかえない店があって分かりにくい
>一消費者の感想としてのご回答です。
ええと、ありがとうございました。
私自身も一消費者ですので(今も財布に3000円分の商品券が入っている)、お話はわかります。
(使用期限等、一部違う点もありますが)
ただ、今回は、もっと経済的分析に寄った回答を期待しています。
というか、私が知らなかった・思いつかなかったことを教えて頂くことを目的に質問していますので……。
「おじゃりやれはがき」、面白いですね。
しかし、いくら1000円くれると言われても、八丈島にどんな良いことがあるのか教えてもらえないと、ちょっと行く気には……。
してみると、結局の所、いくら商品券を発行しても、地域の産業に魅力がなければ問題の解決にはならない、ということかも知れませんね……。
回答ありがとうございます。
>住民税負担を強いられている
それはもちろんありますね。というか、行政のあらゆる施策がそうであろうと思います。
>その地域で買わざるを得ないことがデメリット
そうでしょうか?
もちろん、給与が商品券で支払われる、とかいう環境ではそうでしょうが、給与は通常通り受け取っており、そこにいわば「おまけ」として商品券をもらっているならば、デメリットというほどのものではないような。
(市役所職員が半強制的に商品券を買わされる地域もあるそうですが……。戦争国債か)
>実質安くならない場合も
そうですねえ……。
千円以下の買い物をする時には不便かも知れませんね。
有効期限がないので「どうしても使いたい」という状況はなく、それほど気にはなりませんが……。
むしろ、「800円の買い物をしたいが、財布の中には現金200円と商品券しかない」とかいうせっぱ詰まった状況の方がありそうかも知れません。個人的には。
>たとえば屋根修理の助成金を出す場合
すみません、理解力が足りませんでしたので確認させてください。
つまり、
「屋根の修理をするなら○○万円の助成金を支払いますよ。ただし業者A・B・C……のどれかを使うなら」
という場合より、
「屋根の修理をするなら○○万円の助成金を支払いますよ。ただし商品券で」
という場合の方が、建設業者間の競争が促される、ということでしょうか。
それは事実そうだろうと思います。
……けど、建設業者にそういう競争を促すのはこの施策の目的なのだろうか。
いや、助成金として支払われた商品券はどのみち地元に流れるわけで、そういう面では目的を達しているとは思うのですが。
>月に一度か2度まとめて換金します。
ああ、そういうものなのですか。
なにか、商品券を受け取った文房具屋の奥さんが、今度はそれを持って向かいのスーパーに……とかいう図を想像していました。
原則全額換金されて、市役所がそのための資金をプールしているのだとすれば、確かにインフレにはなり得ませんね……。
ていうか、むしろ消費活動を鈍化させているような気も……。
>キャッシュに余裕が必要
確かに。
>管理や計算、自治体への申告などの事務作業が必要。
結局は、地元の客が増えるメリットと、事務の手間が増えるデメリットを秤にかけるわけでしょうね。
参考になりました。
ありがとうございました。