Wikipediaによると、初めて「管理工学」が使われたプロジェクトはマンハッタン計画であると解説されています。いま風のプロジェクトマネジメントの始まりとも言えると思います。PMBOKによるとプロジェクトとは「独自の製品、サービス、所産を創造するために実施される有期性の業務」とされています。土木工事などは本質的にこれに当てはまっているように思われるので、古来から「プロジェクト」だったことには違いないのではないかと思います。一方で研究開発などは「有期性」とは限らないので、もともとプロジェクトマネジメントのようなものとは無縁だったのではないかと思われます。
お聞きしたいのは以下の3つです。
・「管理工学」以前のプロジェクトはどのように運営されていたのか。今も起こりうる費用や工期の問題にどのように対処していたのか。
・「管理工学」で無いこと特有の弊害はなかったのか。
・研究開発など「そもそもプロジェクト的でない」業務をあえてプロジェクトのように見なして実施する事例はあったのか。それはなぜか。
想像でも良いですが、具体的な文献の引用があるとなお助かります。
wikiにあるから正しいとは限らないでしょうね。とくにこの記事の「従来、プロジェクトマネジメントは品質・コスト・納期(QCD)の管理活動と考えられ、特に独立した要素として捉えられていなかった。」は疑問が残ります。おそらく、大学の先生がからんで「工学(エンジニアリング)」になったのが、このころからなのでしょう。「管理工学」という言葉がなかったから、その概念がなかった、にはならないと思います。
なぜならば、ピラミッド、ローマのコロセウム、水道、などの大建築物を作る際に、その構築そのものを主眼として、今でいう「プロジェクト」を作らなかったと考えるほうが不自然です。というか、無理。
大規模建築を行う場合、建築物の設計はいうに及ばず、予算が国家財政を潰してはいけないし、稼動人員が国の運営を止めてはいけません。材料、工具、食料などの調達と完成の時期も考慮の必要があります。つまり多数の制約条件と建築順序が存在する以上、それを計画し、記述し、総合的に矛盾のない計画をたて、各分野のマネージャと情報を共有し、進捗を管理しなければ、とてもじゃありませんが、完成に至りません。これをプロジェクト管理といわずして、なんなのでしょうか?
ご質問の意図がわかりかねますが、多くの場合、大規模プロジェクトの前にテストプロジェクト(プルーフオブコンセプト)を行い、本番の費用、工期を推測するネタを作りますよね。
吉村教授の本にプロジェクトやピラミッドの試行錯誤について出てるようです。
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%94%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%83%E3%...
また、研究開発でもプロジェクトになるものとならないものがあると思います。本当の基礎研究は論文ベースですのでプロジェクトとはいいにくいでしょう。しかし、製造技術の研究開発などはプロジェクトタイプで行っていると聞いています。現時点でわかっていないことも、経験や予想で工期と予算を決めるようです。そうしないと最終的な製品の市場予測を上回る費用をかけてしまい、赤字垂れ流しになってしまいます。確か以下の本に出てたと記憶しています。
http://www.bookpark.ne.jp/cm/contentdetail.asp?review=off&conten...
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