歌手が、バラードの曲を、演奏のメロディから半拍くらい遅らせて歌うのを見かけます。
とくに、ベテラン歌手に多いように思います。
1フレーズ程度なら、その人の味として受け入れられるのですが、
Aメロ全部とかやられると、いくら好きな歌手でもイラっとします。
あの「遅らせ」は、何かの効果を狙った技法なのでしょうか?
http://metamor1-web.hp.infoseek.co.jp/fav_night0065.html
遅乗りは書かれている譜面を八分音符の3連の1拍分ぐらいをわざと遅らせて歌う歌い方です。このわざと遅らせる歌い方というのは彼女が最初に試みた訳ではなく昔から行われています。歌ではありませんが極端な例でいえばジャズ・ピアニストのエロール・ガーナーが演奏した「バック・ビハインド奏法」というのがあります。これは見事に意識的にフレーズを遅らせて弾くのですが遅らせる程度が半端じゃありません。八分音符の3連1つ分はゆうに超えています。これをピアノ独特の奏法であるブロック・コード(フレーズをオクターブで弾きさらにオクターブの間にそのフレーズに相応しいコードをつけて演奏する高度なピアノ奏法)を使って演奏するから実にGroovyな演奏になります。僕には出来ませんがこれができたら実にかっこいい。女の子にもてること請け合いです。(但し、音楽のよさがわかる子に限る)「コンサート・バイ・ザ・シー」というアルバムを聴くとブロック・コードでがんがんバック・ビハインドするエロール・ガーナーに出会うことができますよ。乗りに乗っていて観客にもバカ受けな様子がよくわかります。(このアルバムはライブ録音です。)。
曲のムードや演奏にあわせて微妙にフェイクできる歌い方は坂本九的なのりのよさがある。たとえば「動き始めた汽車に、ひとり飛び乗った」の箇所を聴くとわかるが、伴奏のメロディにすこし遅れながら歌い、さびに向かって追い上げる歌い方はジャズシンガーにも通じるところがある。
http://koichishiraishi.de-blog.jp/jazz/cat4789515/index.html
ベテラン歌手は、代表曲であれば何百・何千回?歌ってたりするわけで、
やっぱり飽きてくるんだと思います。
そういう飽きてしまった曲に自分の心を載せる手段としてそういう「メロディやタイミングを崩す」ことをしてしまうんじゃないかと。
じゃあ、なぜ「ためる」ばっかりで前のめりにならないかというと、
やっぱり伴奏に先行かせて、それにあとから乗っかるのが「楽」だからじゃないかなと考えてます。
で、うたっている本人は自分の歌を自分で崩したわけで、それがホンモノノメロディーと思ってしまいそう。
オリジナルの音源よりもその崩してしまったメロディーを聞く機会が多かったりわけで。
なので、どんどん加速していくわけです。
ベテランならそれを客観的に指摘する人もそんなにいないんじゃないかと思うし。
以上、バンドボーカル経験者の感覚を踏まえた想像です。
ありがとうございます。
>ベテランならそれを客観的に指摘する人もそんなにいないんじゃないかと思うし。
確かにそうですね。
おお、まったく同じ質問がありましたね。