※複雑な系の分類(カテゴライズ)なども踏まえて回答願えると幸いです。
前回の質問↓
http://q.hatena.ne.jp/1286676220
納得できるご回答の方には700ポイント差し上げます。
複雑系の予測不可能性については、ジョン・キャスティの6分類が理解しやすいので、それを要約してみます。
1)論理的錯綜
論理的ルールからから生じるパラドックス的な結論。これはゲーデルの不完全性定理からの帰結で、どのような公理系でも証明できない事項があることです。
数学においてさえ、予想されないパラドックス(例えば[[バナッハ・タルスキー]]の定理)が発生します。
2)カタストロフィー
ルネ・トムのカタストロフィー理論は「原因がわずかに変化した時、必ずしも結果がわずかに変化するわけではない」ことを示しました。
3)カオス
これは他の回答者が十二分に説明しています。決定論的なランダム性が非線形方程式には含まれていることで、一般に長期天気予報が不可能なのはカオスのためだとされます。
4)計算不可能性
法則や方程式系が与えられていっても不可解なものがたくさんあります。
三体問題などを含む多体問題や非線形波動方程式の大部分などです。規則や法則が分かっていても何が起きるか予測できないわけで、解の存在する証明できていないわけです。
5)還元不可能性
複雑なものは単純なものにいつでも還元できるとは限らない。量子力学の観測問題がこれに該当します。どうして波束に収縮するか説明できない。大半の自然現象はこれに相当するかもしれません。
6)創発性
自己組織化による異なる次元でのパターン出現。遺伝子によるタンパク質合成の結果から「意識」が生じています。分子レベルでいくら解析しても意識の発生を説明できません。これも予測不可能性の一種です。
以上、つたない要約ですが、それを豊富な事例で論じたのは、キャスティのこの本です。副題は「なぜ世界は予測できないか」です。サンタフェ研のヒトです。
松岡正剛の書評も参考になります。
そもそも複雑系というのは、
単純な系の組み合わせで解決できない問題に対してのアプローチです。
言い換えると予測が困難なものにたいして適用してるのが複雑系なんです。
なぜ予測ができない(難しい)かというのは、今のところ誰にもわかってません。
極論は、自由意志があるかどうかの議論になります。
単純系の組み合わせで複雑系を予測しようとすると
計算量が膨大になり、計算結果が時間的にでないです。
ご回答ありがとうございます。
そうですよね。結局、相互作用が強い複雑な系は、方程式で近似できないから、シミュレーションするしかなくて、それには膨大な計算量が必要になって・・・あうあう
明日をどこまで計算できるか?――「予測する科学」の歴史と可能性
予測不可能性の問題は、
初期値依存性が高く、微小な初期値の違いを計測できないために、結果を予測できない(カオス的)
予測モデルが、現実を一致していないために、そもそも予測にならない
この二つの場合が考えられます。数値計算におけるカオスの場合には、単純な計算なのに結果予測ができないという前者です。しかし、通常の現実問題に対しては、そもそもモデルとなる方程式が立てられない。立ててみても、過去の現象の説明にしかなっておらず、未来の現象の予測モデル化が成功しているわけではない。
複雑系は、たぶん、方程式のようなものに表現を依存していないので、モデル化はたぶん不可能である。
(モデルを作成しても、検証が不可能だからである)
そのため、予測という行為自身があり得ないということになる。
ご回答ありがとうございます。
例えば、複雑なシステムを作る時に、または複雑なシステムがあったとして、それにカオスが含まれているかどうかを判定できるかが興味があります。
複雑系の予測不可能性については、ジョン・キャスティの6分類が理解しやすいので、それを要約してみます。
1)論理的錯綜
論理的ルールからから生じるパラドックス的な結論。これはゲーデルの不完全性定理からの帰結で、どのような公理系でも証明できない事項があることです。
数学においてさえ、予想されないパラドックス(例えば[[バナッハ・タルスキー]]の定理)が発生します。
2)カタストロフィー
ルネ・トムのカタストロフィー理論は「原因がわずかに変化した時、必ずしも結果がわずかに変化するわけではない」ことを示しました。
3)カオス
これは他の回答者が十二分に説明しています。決定論的なランダム性が非線形方程式には含まれていることで、一般に長期天気予報が不可能なのはカオスのためだとされます。
4)計算不可能性
法則や方程式系が与えられていっても不可解なものがたくさんあります。
三体問題などを含む多体問題や非線形波動方程式の大部分などです。規則や法則が分かっていても何が起きるか予測できないわけで、解の存在する証明できていないわけです。
5)還元不可能性
複雑なものは単純なものにいつでも還元できるとは限らない。量子力学の観測問題がこれに該当します。どうして波束に収縮するか説明できない。大半の自然現象はこれに相当するかもしれません。
6)創発性
自己組織化による異なる次元でのパターン出現。遺伝子によるタンパク質合成の結果から「意識」が生じています。分子レベルでいくら解析しても意識の発生を説明できません。これも予測不可能性の一種です。
以上、つたない要約ですが、それを豊富な事例で論じたのは、キャスティのこの本です。副題は「なぜ世界は予測できないか」です。サンタフェ研のヒトです。
松岡正剛の書評も参考になります。
ご回答ありがとうございます。
レイ・カーツワイルのポストヒューマン誕生などの書籍で、知性が向上するとその知性はさらに複雑で高度な知性を作り・・・。みたいなことがかいてあったのですが、高度な知性を実現する複雑なシステムなんか作れるのか?作っても不安定で使いものにならないのでは?なんてグダグダ考えていて、本質問に至りました。
たとえば、今話題になっている将棋ロボット「あから」ですが、こんなロジックのロボットに物事の決定権を預けた社会は、12:00に「人類は平和になるべき」と言った次の瞬間に12:01「人類は滅ぶべき」とか言って核爆弾のスイッチを押しかねないなぁーと。
あと、見方によってはパソコンのOSとかもカオスを内包してそう。ちょっとしたバグがシステム全体を不安定にしてしまう事例などあるから。
やっぱり人間あたりが知性の限界なのかなぁ・・・
ご回答ありがとうございます。
レイ・カーツワイルのポストヒューマン誕生などの書籍で、知性が向上するとその知性はさらに複雑で高度な知性を作り・・・。みたいなことがかいてあったのですが、高度な知性を実現する複雑なシステムなんか作れるのか?作っても不安定で使いものにならないのでは?なんてグダグダ考えていて、本質問に至りました。
たとえば、今話題になっている将棋ロボット「あから」ですが、こんなロジックのロボットに物事の決定権を預けた社会は、12:00に「人類は平和になるべき」と言った次の瞬間に12:01「人類は滅ぶべき」とか言って核爆弾のスイッチを押しかねないなぁーと。
あと、見方によってはパソコンのOSとかもカオスを内包してそう。ちょっとしたバグがシステム全体を不安定にしてしまう事例などあるから。
やっぱり人間あたりが知性の限界なのかなぁ・・・