F/A-18をアメリカは海軍と海兵隊で運用していますが、海兵隊も同じ機体を運用するのはなぜですか?

海兵隊が独自の空母を保持しているのなら、海兵隊のみで航空作戦を完結することもできるでしょうが、いずれにせよ空母を運用するのは海軍なわけで、それなら海軍のF/A-18にさせればよいと思うのですが、一体どういうことなのでしょうか?

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  • 終了:2011/09/29 05:00:03

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id:Baku7770 No.1

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 まず、空母がなければF/A-18が運用できないというのなら、現在進んでいるFXの選定でF/A-18が選定されたら、我が国は空母も持たなければならないし、オーストラリア海軍は現在は空母を所有していませんが、F/A-18は所有しています。

 オーストラリア海軍のF/A-18はどうすれば良いのでしょう?

 

 まず、米海兵隊は軍政上は海軍に属しますが、軍令上は独立した軍種です。つまり、陸・海・空軍省は存在するが、海兵省は存在しません。予算上装備は海軍省の管轄となりますが、海軍省の指揮・命令は受けないのです。

 空母は有していませんが、強襲上陸作戦を主任務としています。上陸作戦は、海軍と空軍の火力支援の下で陸軍が上陸するというのが通常のやり方です。

 事前に十分な作戦計画立案、指揮系統について綿密な打ち合わせができる大規模上陸作戦ならいざ知らず、それぞれ指揮系統が異なる陸・海・空軍が密接に協力するのは非常に難しく、各軍は上陸した陸軍部隊より自軍を優先的に守ろうとしますし、自軍の作戦を優位に進めようと、相撃ちをお構いなしに攻撃を加えようとします。

 そのため、強襲揚陸部隊が苦戦を強いられるのが普通です。

 海兵隊は、陸・海・空の戦力を全て自前でまかない、一人の司令官の命令で全てを実行するために戦闘・攻撃航空兵器が必要なのです。

 空母を持っていないとは言え、揚陸艦から離着艦可能なAV/8Bも有しています。F/A-18はF-35BとAV/8Bとの繋ぎとしての存在であり、予算編成が海軍省に握られているからといった見方も可能です。

 また、平時から、上陸部隊と海上・航空部隊の協同連携について訓練できるという利点もあります。

id:indigoworks

別に日本やオーストラリア、もっと言えばカナダとかの話をしたいわけではありません。ご指摘のように、軍令上の理由が知りたいわけです。

ご指摘のように、海軍と海兵隊が独立した軍種なのは理解しています。(というかその上での質問なのですが…)であれば、海兵隊も空母を保有していなければ、本来のF/A-18のバリューが発揮されないのでは、というのが私の疑問でした。地上の基地からF/A-18の足で届く地域なんていうのは地球上で限られすぎるのでは、と思ったのです。

AV-8Bのご指摘もありますが、これは揚陸艦で陸上基地から遠く離れた地域まで進出可能とはいえ、制空性能には疑問がつくわけです。将来的にF-35Bと、F-35Cが同じスペックでロールアウトするとも思えず、せっかくですがお答えいただいた内容では、理解と納得はできないです。すいません。

2011/09/22 11:52:37
id:Baku7770 No.2

回答回数2832ベストアンサー獲得回数181

 #a1です。私宛コメントに回答します。

 

 まず、AV/8Bの制空能力に疑問を持たれているようですが、AV/8Bの制空能力は現在でも意外と高いですよ。

 フォークランド戦争の際にもシーハリアーはアルゼンチン空軍に勝てないだろうと思われていたんですが、アメリカが最新型の対空ミサイルを提供したこともあって、戦闘機による被撃墜は0逆に24機撃墜。

 湾岸戦争では地上砲火で5機が撃墜されましたが、戦闘機による撃墜は0。アメリカが攻撃を仕掛ける国でAV/8Bと戦って勝てそうな戦闘機を有している国は、ロシア、中国、インドくらいですよ。

 AV/8Bは推力変更で後に喰らい付かれても急上昇回避できるのと、アビオニクスも強力なので結構手強い戦闘機です。

 逆に熱源が胴体中心にあるので赤外線式地対空ミサイル、低速なことから地上の対空砲火に弱いというのが欠点です。

 湾岸戦争の戦訓からレーザー誘導爆弾に主兵器を替えたアフガンやイラク戦争では被撃墜率が格段に下がっています。

 

 次に空母が無ければ、F/A-18を保有する価値が無いと思われる理由が私には解からないところです。

 まず、揚陸艦ってどの程度の規模の艦艇だと考えられていますか?

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%82%B9%E3%83%97%E7%B4%9A%E5%BC%B7%E8%A5%B2%E6%8F%9A%E9%99%B8%E8%89%A6

 ここでの記載はAV/8Bは6機となっていますが、イラク戦争時はAV/8Bの母艦として24機を搭載して作戦を遂行しています。F/A-18の搭載能力はありませんが、中国の実戦には使えそうも無い空母よりはかなり強力ですよ。

 さらに加えるなら、現在計画中のアメリカ級はF-35Bを10機標準となっていますが、先述のワスプ級同様F-35Bの母艦としても使われるだろうと推測されており、その場合は24機以上搭載されると考えられています。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E7%B4%9A%E5%BC%B7%E8%A5%B2%E6%8F%9A%E9%99%B8%E8%89%A6

(「軍事研究」2011・7参照)

 

 空母が無いから、F/A-18を有したところで作戦が行えないと考えるのは全くの素人考えで、空母を有していても制海権・制空権が確保できなければ空母を侵出させることはありませんし、作戦遂行にF/A-18の支援が必要であればその地点がF/A-18の戦闘行動半径に収まる範囲に発進基地が確保できなければ作戦は絶対に行われません。この場合の戦闘行動半径は空中給油を行った上での数字も含みます。海兵隊はKC-135も有していますから。

id:indigoworks

私も言葉足らずだったかもしれませんが、どうもご理解いただけないようなので、改めて要点を書き出します。

1) 海兵隊は陸海空兵器を所有し、独立して上陸戦を行える

2) ただ「空」兵器のうち、F/A-18は上陸戦を行う際、空母から運用することとなる

3) それは海軍の空母に頼ることとなり、独立して行動しているとは言えない

4) AV-8Bと強襲揚陸艦の組み合わせは、制空性能に問題があるのでは?

5) そもそもAV-8Bを保有するのなら、F/A-18の必要性は相対的に低くなるのでは?

2)と3)については、陸上基地からF/A-18を派遣、適宜空中給油しての投入、というご説明は納得できました。(ただ、燃費がバカみたいにかかりそうですね)

4)は「そうでもない」とのご意見ですが、推力偏向による高機動戦闘は燃料の消費が激しく逆に不利、という言説も目にしたことがあります。亜音速機であり、超音速戦闘機と渡り合うのには分が悪いのではないでしょうか?

5)は仰るように、高性能ミサイルに頼るのであれば、スペインやイタリアのように艦隊防空戦闘機として運用もでき、余計にF/A-18の必要性を減らせると思うのですが。そもそも二種類の戦闘攻撃機を一つの軍種で運用するのは効率悪いんじゃないでしょうか?

コメント欄にid:hysrさんの書いてくださった参考URLでかなり納得の行く理解が得られました。

そもそも現在運用しているF/A-18がF4Fあたりからの系譜の戦闘機で、海兵隊専用の空母が欲しくともかなわず、ようやく強襲揚陸艦にAV-8という組み合わせで念願が叶った。こういうストーリーがあったんですね。こう考えると、AV-8BのAMRAAM運用能力を艦隊防空に利用するようなことになれば、益々相対的にF/A-18(の系譜)は海兵隊内で相対的に低くなり、海兵隊のCATOBAR機はF/A-18を最後にF-35Bに収束されるのがよくわかりました。

最後に2つだけ

  • なんでAV/8Bだけ間違った表記で書かれているんですか?
  • 人を小馬鹿にしたような文章は苦手です
2011/09/23 01:44:10
id:Baku7770 No.3

回答回数2832ベストアンサー獲得回数181

#a1,2です。私宛コメントに回答します。

 まず、後で詳細にコメントいたしますが、indigoworksさんは戦争マニア、兵器マニアが陥りやすい誤解をされているような気がしますがどうでしょうか?

 コメントしやすい順に回答していきます。

 まず、

>そもそも二種類の戦闘攻撃機を一つの軍種で運用するのは効率悪いんじゃないでしょうか?

 確かに効率が悪くなることは認めますが、逆に一国の軍隊が複数種類の戦闘攻撃機を運用するのはむしろ常識です。海兵隊の場合、その性格上複数種持つべきだと考えます。

 日本の場合、三機種体制を維持したいといった表現をしていますね。

 一機種だけで運用し、その機種が事故を起こしてしまった場合、その機種について事故原因が判明し、対応策が施されるまで飛行停止処分が下されます。その間敵が攻めてきたからと言ってエンジンを掛けた時点で違法です。

 航空自衛隊の場合、2007年に国内でF-2、アメリカでF-15が立て続けに事故を起こし飛行停止になったことからF-4しかスクランブルに使えなかった時期があります。

http://obiekt.seesaa.net/article/65359083.html

 

>そもそも現在運用しているF/A-18がF4Fあたりからの系譜の戦闘機で、海兵隊専用の空母が欲しくともかなわず、ようやく強襲揚陸艦にAV-8という組み合わせで念願が叶った。こういうストーリーがあったんですね。

 indigoworksさんはどうしても海兵隊に空母を持たせたい、F/A-18には空母が必要だと思いたいようですね。

 id:hysrさんのコメントにある参考urlも拝見しましたが、兵器マニア特有の誤解だと考えます。

 海軍省だって海兵隊に空母が不可欠で、海兵隊に運用が可能であれば空母の一隻ぐらい簡単に与えます。世界中で海兵隊は三軍しかありません。各軍に一隻ずつ渡しても三隻にしかなりませんし、海兵隊に空母を運用する軍団を組織すれば一隻で済みます。

 海軍省が海兵隊に空母を与えないのは、運用が不可能だからです。#a2では簡単に制海権・制空権を握っていないと空母は侵出しないとしか書きませんでしたが、空母を戦場に投入するには、4隻以上の海上護衛艦と2隻以上の潜水艦が必要と考えられています。長期間現地に留まって作戦行動を行うとなれば輸送艦艇も必要になりますし、それに対する護衛艦艇が必要な状況もあるでしょう。

 また、CTOL機の離着艦をできるようにするにはそれなりの訓練と訓練施設が必要です。

 海兵隊にはそれだけの運用は不可能だし、海兵隊には必要が無いと海軍省に判断されたまでです。

>陸上基地からF/A-18を派遣、適宜空中給油しての投入、というご説明は納得できました。(ただ、燃費がバカみたいにかかりそうですね)

 空中給油を繰り返して作戦投入するのは、空母軍団を運用するよりはるかに安上がりですよ。米海軍の空母打撃軍だと7000人必要ですからね。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%BA%E6%AF%8D%E6%89%93%E6%92%83%E7%BE%A4

 例えば、こんな事実をご存知ですか?湾岸戦争時F-111のミッションが低空飛行から高空飛行に変更になったことから帰投時の空中給油が不要になった。そのことが空中給油部隊に伝わっていなかった。空中給油のために飛び立ったものの不要となった燃料を空中投棄した。

 着陸時の安全確保のためこういった無駄を敢えて行うのが軍隊です。

http://ja.wikipedia.org/wiki/F-111_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)#.E6.B9.BE.E5.B2.B8.E6.88.A6.E4.BA.89

 

 コメントを拝見していて理解できたのは、こういったことでよろしいでしょうか?

①海兵隊は単独で上陸作戦を行う部隊だと言っている(聞いている)

②その海兵隊はF/A-18という同じ米国の海軍が空母と併用している戦闘用航空機を保有している。

③F/A-18は艦上戦闘機であり、航続距離も短い、海軍の空母を離発着の基地としても利用するはずだ。

④海軍の支援を受けないとF/A-18が運用できないなら、①は間違っているのではないか

 それなら、①の段階で既に誤解されています。

 海兵隊が単独で行えるのは上陸作戦全体の中で強襲揚陸~橋頭堡の確保だけです。それを海兵隊は単独で上陸作戦を単独で行えると言っているだけで、実際には空軍や海軍の世話にならない限り上陸作戦は行われません。

 それと、F/A-18を保有しているのは上陸作戦での近接支援のためだけではありません。むしろその役割は小さいと考えます。海外に軍隊を派遣する場合、三軍に分かれていれば指揮系統などについて打ち合わせが必要です。海兵隊の場合、エア・グランド・タスクフォース化と言いますが、陸海空三軍の能力を有する常設軍で緊急有事の即応性を保持するという目的の方が正しい理解と言えます。つまり、きな臭い地域に取り敢えず派遣され、本格的な紛争が始まって三軍が投入されるまでの繋ぎだと。

 

 作戦立案に先立って行われる、衛星による写真の撮影、電子偵察機によるELINTは空軍の役目。上陸地点周辺の偵察機による強行偵察、写真撮影は状況に応じて空軍あるいは海軍の役目。

 上陸作戦に先立って行われる、巡航ミサイルによる敵周辺軍事施設の破壊は状況に応じて空軍あるいは海軍のあるいは双方の役目。

 上陸地点周辺の海域に潜む敵潜水艦の排除は海軍の潜水艦の役目。直前になって海軍や海兵隊のヘリが加わります。

 あと上陸地点への艦砲射撃も海軍の任務です。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%A0%E5%BE%81%E6%89%93%E6%92%83%E7%BE%A4

 ②、③についてはまず話しが外れますが、普天間基地の移設問題で先日オバマ-野田の会談でオバマから切り出したのは事故を起こしたら周辺住民に大きな被害が出るからだなんて考えていませんか?

 詳しくは「普天間基地の大本命『浮原島』」(比嘉、安次「軍事研究」2010/6 pp.28-40)にありますが、普天間は弾薬類がハンドリングできない、海兵隊にとって最も危険な基地だからというのがアメリカの本音です。

 弾薬類のハンドリングが必要な場合は嘉手納を使っていますが、有事の際には対応が遅れることとなり、それが原因の被害を恐れているのです。

 それとは似たような理由で、海軍が海兵隊のパイロットに空母への離着艦を許すなんてことは絶対にありえません。敵の地上砲火を喰らう、激戦で燃料が足りないどんな理由があったとしてもです。激しい訓練を積み重ねた自軍のパイロットですら、着艦時には事故を起こすんです。どんな訓練をつんだか判らない他の軍のパイロットが助けを求めてきたら対応は決まっています。

 ヘリで救助してやるから着水しろ、機体は放棄しろ。です。

 着陸に失敗されて空母が沈没することになれば本体だけで4000億円、航空機や装備を含めれば1兆円の損害です。人員も退艦が遅れれば3000人が死んでしまいます。損傷のない機体で海兵隊一のパイロットから着艦したいと申し入れがあったとしてもそこは変わりません。

>4)は「そうでもない」とのご意見ですが、推力偏向による高機動戦闘は燃料の消費が激しく逆に不利、という言説も目にしたことがあります。亜音速機であり、超音速戦闘機と渡り合うのには分が悪いのではないでしょうか?

>5)は仰るように、高性能ミサイルに頼るのであれば、スペインやイタリアのように艦隊防空戦闘機として運用もでき、余計にF/A-18の必要性を減らせると思うのですが。

 推力変更に高機動戦闘は燃料の消費が激しく逆に不利というのは誰の説でしょうか?理解に苦しむ説ですね。私の知る限り推力方向を変更するだけですから、燃料消費は大きく変わりませんよ。燃料消費量に言及するなら、CTOL機はアフターバーナーを使いますから、燃料消費量を問題にされるならむしろそちらの方が不利だとなります。

 問題とするべきは、VTOなら推力の関係で十分な燃料を積載できず、十分な航続距離が得られないことでしょう。

 高性能ミサイルに頼るという表現自体も兵器マニアの陥りやすい誤解で、兵器と言うものはどこか突出したものを持ったとしても意味がありません。また多くの兵器種を揃え、ミッションに応じて最適な兵器種とその運用部隊を投入します。

 高性能ミサイルが開発されれば、それ以前の機種でも運用が可能かを検討して、アビオニクスの改造で可能なら改造もします。前回の回答にも書きましたが、AV-8Bの場合、亜音速機で排気口が胴体の真ん中にあることから地上からの攻撃に弱いと言う欠点がありますから、その欠点を穴埋めすると言う意味でもF/A-18は必要です。

 

 AV/8Bと表記したことは申し訳ありません。若い頃からそう表記していました。今回、色々確認するためにググった際にもそのまま検索できたのでそのまま使ってしまいました。むしろご指摘感謝します。

>人を小馬鹿にしたような文章は苦手です

 そういう風にとられたのなら、それはお詫び致します。

 ただ、逆にご自身が誤った理解のまま信じ込んでいることを指摘されたことでそうとられた面がありませんか?例えば、カナダやオーストラリアでは空軍がF/A-18を運用していることを拒絶反応を示した時点でそういったものを感じました。

 兵器マニアや戦争オタクはとにかく、新兵器をありがたがり、性能の一部分だけで兵器としての価値を勝手に決め付けてしまう傾向があります。実際の用兵側はそうではありません。B52が現役の理由もそうですし、湾岸戦争でF-111の方がF-16/18やF-117よりもはるかに重宝されました。

 もっとも、悪いのはindigoworksさんではなく、江畑謙介さんのような軍隊経験のない軍事評論家の思い込みや、戦争論すら読まずに戦争について語るコメンテーターの方だと考えますが。

  • id:hysr
    海兵隊のメリットが、海兵隊だけで単独の作戦行動が取れる点にある為のようです。
    (航空機だけ海軍に頼むとなれば、海軍との連携が必要となってしまい、その一事がスピードや判断の足かせになる、ということかと思います)

    また、空母を持つことは悲願のようでしたが、いろいろな事情で叶っていないようです。


    参考:
    http://www6.atwiki.jp/army2ch/pages/248.html

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