テーマ:捨て犬とリフォーム業者
8コママンガの前半4コマです。後半4コマを小説などで示してください。
http://www.nurs.or.jp/~lionfan/hatena_blog/dog_reform.html
このマンガは続きやオチが、できるだけ1通りになるように作ったつもりです。
かきつばた杯のルールは、はてなキーワード【人力検索かきつばた杯】参照。
http://urx.nu/1bOm
今回限定のルールは以下です。
[1] 回答は3回までOKですが、1回は王道で答えてください。
[2] 謎解き要素があるので、回答は11月04日(日)の09:00-10:00に。10:00以降にオープンします。
今回も前回 http://q.hatena.ne.jp/1350489385や前々回 http://q.hatena.ne.jp/1338130249 と同様、創造力より、むしろ推理力と描写力を問う問題です。
なお今回は、今までの問題よりやさしくしたつもりです。
参加予定の方は、コメント欄に参加する旨を書いていただけると嬉しいです。
コメントやトラックバック、ブックマークなどで、決してネタバレしないよーに!
「あら、可愛いワンちゃん!」
休日の朝、智子が散歩がてらに家の近所をぶらぶら歩いていると白くて可愛らしい、それでいてどこか理知的で精悍な犬が佇んでいた。
「捨て犬なの? 可哀そうね……」
捨てた主が残したものなのか、エサ皿が傍らに置かれているが、それは既に空っぽ。
そばには、『誰か飼ってください』との書置きが残されている。
(可哀そう……うちで飼えたらいいんだけど……)
そこへ、通りがかったのは智子の両親だった。父と母、それに小太りの中年男性が一人。智子の家を改装するにあたって担当してくれているリフォーム業者の人のはずだ。
「智子? どうした?」
父親が智子の様子を窺うように話しかけた。
「やあ、御嬢さん」
と、ご機嫌取りなのか、担当の中年も親しげに智子に挨拶をする。
「ねぇ、お父さん、この犬捨て犬みたいなの。うちで飼ってあげられない?」
それに、難渋を示したのは智子の母である。
「だめよ、家を改装してマンションにするんだから」
「そうなんですよ。今日はその契約にと、足を運んだ次第なんです」
担当の男も母親に追従する。
そうなのだった。ずいぶん前から計画だけはしていたが、智子の家はこのたびリフォームされる。
先祖代々の土地を受けついだ、智子の家は旧家ともいえる都会にはもったいないくらいの豪邸であった。
しかし、老朽化が進み、その維持費用もばかにならない。
それで、マンションに建て替え、そのうちの最上階の一宅を智子の家族が住み、他は賃貸に出して、収入を得よう、父母たちの老後に備えようと計画を進めている段階だ。
「だって、かわいそうじゃない。リフォームなんてそんなに急ぐことないでしょう?
この犬をうちで飼おうよ」
「そういわれてもなぁ……」
父は、困った顔をした。母も、
「そうはいっても、もう話は進んじゃってるのよ」
「そうですよ。何事にもタイミングってのがありまして、金利も低く、住宅価格の安定している今がチャンスなんです」
とは、リフォーム業者だ。こんなことで折角取った契約をふいにされてはかなわんと、少し必死な形相で、智子の説得に力を注いでいる。
その時、いきなり犬が吠えだした。リフォーム業者に向って飛びかからんとする勢いだ。
「わ、なんだ!」あわてて飛びのいた業者の男は、
「すみません、契約はまた今度にでも……」と言い残すとそそくさとその場を後にしてしまった。
「なんだ、いきなり」
「あらまあ、鞄を忘れていってるわ。書類も散らかって……」
智子の母はそう言いながら、落ちている書類を拾い始めた。
作者からの、挑戦状もとい、連絡事項。
この続きがどうなるか?
王道回答はこのまま読み進めるべし。
適当回答は、こちらへ進むべし。
「どうしたのかな?」
「よっぽど犬が嫌いなんだろう。あの人。ほんとに困ったもんだ。やっと契約まで進んだってのに……」
と智子の父は渋い顔。
「……! あなた、これ!」
突然、大声をあげた智子の母は、驚愕の表情を浮かべながら一枚の紙片を差し出している。
「これは……」
その書類を見た父の表情も険しくなる。
「どうしたの? お父さん?」
智子の問いかけに父は重々しく答えた。
「あの業者、リフォーム詐欺だ。嘘の契約を交わして金だけをとったら逃げるつもりなんだ」
「えっ! まさか……」
「でも、ここに書いてあることが本当だとすると……。あぶないところだった。
とりあえず警察に相談してくる! 証拠はあるんだ」
その場を立ち去ろうとする父に智子が声をかける。
「ねぇ、お父さん。詐欺だってことはリフォームの話は無かったことになるんだよね?
で、このワンちゃんがそれに気づかせてくれたんだよね。いわば恩人なんだよ?」
「智子……」と母。
「何が言いたいかはわかっている」と父。
「じゃあ……」
「仕方ないな。リフォームの話はまたいちから進めなきゃならないし、それにそんなに急ぐこともないだろう。
また、変な業者に掴まっても大変だしな。それまでの間、まあその犬はうちにおいてやろう。恩人なんだから。
母さんもそれでいいだろう」
「ええ」
「やった~! うちで一緒に暮らせるって、よかったね、ワンちゃん!」
こうして、智子の家は詐欺に遭うのを寸前で回避できて、かわいいペットが一人増えました。
(やれやれ、危ないところだったようだワン。僕の特殊能力、人の嘘をかぎ分ける力が役に立ったワン。
この智子ちゃんみたいな犬好きの優しい子がひどい目に会わなくてよかったワン。
ついでに住むところもできて、食事の心配もしなくてすみそうだワン。
一件落着だワン)
とうことで、一件落着だワン。
「あら、可愛いワンちゃん!」
休日の朝、智子が散歩がてらに家の近所をぶらぶら歩いていると白くて可愛らしい、それでいてどこか理知的で精悍な犬が佇んでいた。
「捨て犬なの? 可哀そうね……」
捨てた主が残したものなのか、エサ皿が傍らに置かれているが、それは既に空っぽ。
そばには、『誰か飼ってください』との書置きが残されている。
(可哀そう……うちで飼えたらいいんだけど……)
そこへ、通りがかったのは智子の両親だった。父と母、それに小太りの中年男性が一人。智子の家を改装するにあたって担当してくれているリフォーム業者の人のはずだ。
「智子? どうした?」
父親が智子の様子を窺うように話しかけた。
「やあ、御嬢さん」
と、ご機嫌取りなのか、担当の中年も親しげに智子に挨拶をする。
「ねぇ、お父さん、この犬捨て犬みたいなの。うちで飼ってあげられない?」
それに、難渋を示したのは智子の母である。
「だめよ、家を改装してマンションにするんだから」
「そうなんですよ。今日はその契約にと、足を運んだ次第なんです」
担当の男も母親に追従する。
そうなのだった。ずいぶん前から計画だけはしていたが、智子の家はこのたびリフォームされる。
先祖代々の土地を受けついだ、智子の家は旧家ともいえる都会にはもったいないくらいの豪邸であった。
しかし、老朽化が進み、その維持費用もばかにならない。
それで、マンションに建て替え、そのうちの最上階の一宅を智子の家族が住み、他は賃貸に出して、収入を得よう、父母たちの老後に備えようと計画を進めている段階だ。
「だって、かわいそうじゃない。リフォームなんてそんなに急ぐことないでしょう?
この犬をうちで飼おうよ」
「そういわれてもなぁ……」
父は、困った顔をした。母も、
「そうはいっても、もう話は進んじゃってるのよ」
「そうですよ。何事にもタイミングってのがありまして、金利も低く、住宅価格の安定している今がチャンスなんです」
とは、リフォーム業者だ。こんなことで折角取った契約をふいにされてはかなわんと、少し必死な形相で、智子の説得に力を注いでいる。
その時、いきなり犬が吠えだした。リフォーム業者に向って飛びかからんとする勢いだ。
「わ、なんだ!」あわてて飛びのいた業者の男は、
「すみません、契約はまた今度にでも……」と言い残すとそそくさとその場を後にしてしまった。
「なんだ、いきなり」
「あらまあ、鞄を忘れていってるわ。書類も散らかって……」
智子の母はそう言いながら、落ちている書類を拾い始めた。
作者からの、挑戦状もとい、連絡事項。
この続きがどうなるか?
王道回答はこのまま読み進めるべし。
適当回答は、こちらへ進むべし。
「どうしたのかな?」
「よっぽど犬が嫌いなんだろう。あの人。ほんとに困ったもんだ。やっと契約まで進んだってのに……」
と智子の父は渋い顔。
「……! あなた、これ!」
突然、大声をあげた智子の母は、驚愕の表情を浮かべながら一枚の紙片を差し出している。
「これは……」
その書類を見た父の表情も険しくなる。
「どうしたの? お父さん?」
智子の問いかけに父は重々しく答えた。
「あの業者、リフォーム詐欺だ。嘘の契約を交わして金だけをとったら逃げるつもりなんだ」
「えっ! まさか……」
「でも、ここに書いてあることが本当だとすると……。あぶないところだった。
とりあえず警察に相談してくる! 証拠はあるんだ」
その場を立ち去ろうとする父に智子が声をかける。
「ねぇ、お父さん。詐欺だってことはリフォームの話は無かったことになるんだよね?
で、このワンちゃんがそれに気づかせてくれたんだよね。いわば恩人なんだよ?」
「智子……」と母。
「何が言いたいかはわかっている」と父。
「じゃあ……」
「仕方ないな。リフォームの話はまたいちから進めなきゃならないし、それにそんなに急ぐこともないだろう。
また、変な業者に掴まっても大変だしな。それまでの間、まあその犬はうちにおいてやろう。恩人なんだから。
母さんもそれでいいだろう」
「ええ」
「やった~! うちで一緒に暮らせるって、よかったね、ワンちゃん!」
こうして、智子の家は詐欺に遭うのを寸前で回避できて、かわいいペットが一人増えました。
(やれやれ、危ないところだったようだワン。僕の特殊能力、人の嘘をかぎ分ける力が役に立ったワン。
この智子ちゃんみたいな犬好きの優しい子がひどい目に会わなくてよかったワン。
ついでに住むところもできて、食事の心配もしなくてすみそうだワン。
一件落着だワン)
とうことで、一件落着だワン。
grankoyama様、いつもありがとうございます。
最初の4コマも小説化しており、また後半も自分の回答とほとんど同じでした。
(自分の正解マンガで、母親がかばんを持ち帰っているのは、あとで警察に届けるためです)
また回答もわかりやすく、誰が読んでも納得いくと思います。
謹んでベストアンサーを差し上げます。
T子の母親はリフォーム業者が落としたカバンから飛び出した荷物を拾い集めた。
「これは何かしら?小麦粉?」
それは小さなビニール袋に入った、白い粉だった。
T子の父親の顔色が変わった。
「ちょっと貸してみなさい」
父親はT子から渡されたビニール袋を一瞥すると、リフォーム業者のカバンに入れた。
「急用ができた。私は署に行ってくるよ。あとはよろしく」
「今日は非番の筈でしょ」
むくれる母親には構わず、カバンを抱えた父親は足早に去っていった。
「で、この子はどうなるの?」
T子は犬を指さしながら言った。
「しょうがないわね。契約も後回しになっちゃったし。とりあえずうちの庭に来なさい。飼うわけじゃないからねっ」
犬はうれしそうに尻尾を振った。
「これがお前の新しいおうちだよ。シロ」
T子の父親は、真新しい犬小屋をシロに見せた。
シロと名付けられた犬は、T子の庭に設置された犬小屋の周囲を走り回った。
「本当に飼ってもいいのね、お父さん」
T子の問いに、父親は肯いた。
「シロのお手柄だよ。リフォーム業者に偽装した覚醒剤ブローカーの一味を逮捕できたし。我が家も危うく詐欺にひっかかるところだったしね」
「でも、シロはどうして吠えたのかしら?まさか、麻薬探知犬だったとか?」
父親は首を横に振った。
「東京税関監視部の麻薬探知犬訓練センターにも照会してみたんだがね。該当するような犬はいないそうだ。麻薬探知犬と言えば、ジャーマン・シェパードかラブラドール・リトリバーだし」
「何はともあれ、おうちが見つかって良かったね、シロ。仲良くしようね」
T子の言葉に、シロは賢そうな目でT子を見つめた。
その夜。
シロの犬小屋から、サブミリ波の通信ビームが、夜空に向けて発射された。
『状況レポート。
この星の住人との接触に成功。しばらく観察を続ける予定。以上』
meefla様、いつも回答ありがとうございます。
「リフォーム業者に偽装した覚醒剤ブローカー」ってヾ(^o^;) オイオイ
「東京税関監視部の麻薬探知犬訓練センター」って、妙に詳しいですね。
しかもラストが・・・。ぐらん娘さんでも乗り移ったかと思いました。
吾輩は犬である。名前はない。
正確に言えば名前はあるのだが、それを呼ぶ人間がいない。呼ばれることが無い名前は、既に名前とは言えないであろう。吾輩が従順と愛嬌、それに多少の余技を披露し、寝床と食事を人間が提供するという協調関係が、数日前に解消される運びとなった。人によっては、その状況を可哀そう、と呼ばれる方もおられるであろうが、正直なところ、そう悲観しているわけではない。人間の言葉を全て理解している訳ではないが、吾輩のことが邪魔になってこのような状況になったのではないことは理解している。寧ろ、最後までお互いに良き関係を築けていたと思う。何かやむを得ぬ事情があったのであろう。淋しい気持ちが全く無いというと嘘になってしまうが、吾輩は独りで生活するのも嫌いではない。出自が人間が言うところの野良であるところに因るのかもしれぬ。
実のところ、生きていくのに必要な寝床や食事の確保というのは左程難しいことではないし、自分の好きにできるというのは気楽なものである。ただ何となく食べたくないときも往々にしてあるのだが、人間と共同生活をしているときには、嫌な臭いにつつまれた場所に連れて行かれ、ちくりとされたり、食事に変な味がするものを混ぜられたりすることがある。どうも、あれは好きになれない。勿論、共同生活を続ける上では、互いの我慢というのが大事であるし、良かれと思って行っているらしいことは分かるので、吾輩としては我慢せざるを得ない。
ただ人間との生活もそう悪くは無いのである。吾輩が一番気に入っているのは、毛づくろいを人間にしてもらうことである。爪が何十本もついた手で全身を掻いてもらうのは大層気持ちが良い。時折、暖かい雨で洗ってもらうこともある。見ての通り白一色の毛を纏っているが、吾輩はこれをいたく気に入っている。洗ってもらった後には、これが一層に白くなるのである。外で浴びる雨では、なかなかこうはいかない。寧ろ、全体的に薄汚れたようになってしまうように思える。
そろそろ雨が降りそうな匂いがするのが吾輩を憂鬱な気分にさせる。そろそろ共同生活をする人間を見つけよう。決して一人が淋しいわけではない。
相手を見つけるのは、それほど難しいことではない。吾輩は鼻が利く。微かな臭いをかぎ分けることができるのは犬なので当然である。人間の気持ちや気分というものにも微かに匂いがあるのだ。吾輩に好意を持ってくれる匂いを持つ人間を待って、後は多少のアピールをするだけのことである。
──────
(かわいそう。うちで飼えればいいのに…。)
この人間の子は吾輩の境遇に同情を感じているようである。他の人間も、総じて吾輩のことを嫌っているわけではないようであるが、少々嫌な匂いも混じっている。
「この捨て犬、うちの庭で飼ってあげられないの?」
「だめよ。家を改築してマンションにするんだから。」
他の人間は同情よりも先に立つ事情がありそうである。どうやら、この人間達とは縁が無かったようだ。
「はっは。今日はご両親とその契約書を交わすために来たんですよ。」
先程からの嫌な匂いは、この人間のものであったか。
こういう場面に遭遇したときの正しい犬の振る舞いは一つしかあるまい。
「ワン!」
「ギクッ! すみません! 契約書はまた今度でも!」
「ワン! ワワン!」
この辺で良かろう。尻尾を巻いて逃げて行ったものを追い詰める必要はあるまい。
「あらまあカバンが…」
「犬がよっぽど嫌いなんだな。ん、おい、ちょっとこの原価計算書、おかしくないか」
「マル秘って書いてある書類を勝手に読んでは駄目ですよ。あら、この金額は……」
「うちへの請求額より、随分と低い数字じゃないか。まさか、手抜き建築?」
「え、それって、騙されてたってこと?」
「あんなに良さそうな人だったのに……」
「この子のお手柄じゃない。ねえ、うちで飼ってあげても良いでしょう?」
「ワン!」
a-kuma3様、犬視点での回答とは驚きました。
しかも力作で、読んでいて楽しいです。
最後に犬を吠えさせたのが、自分の回答と同じでうれしかったです。そうでなくっちゃね!
視点が変わると、はじめて読む人には正解がわかりにくくなってしまいますので、
ベストアンサーからは外れてしまいますが、ポイントをたくさん差し上げます。
この回答の前半部は、こちらと共用です。
先に、第一回答をお読みください。
読まなくてもいいです。
適当に書きました。推敲なんで全然してません。
でも、面白かった? らしいので回答させてもらいました。
「こ、この首輪は……」
突然、父がかがみ込み、犬の首輪を確かめだした。
「あなた……、落としていった鞄の中にこんなものが……」
「そうか、そういうことだったのか。どうりで見つからないわけだ。おそらく本人も気づいていないのだろう」
智子の父は、それだけいうと何やら呪文のようなものを唱え出した。
すると、犬の体が光だし、その姿を徐々に変えていく。
みるみるうちに、犬のそれであった体は、人間のそれに変わっていく。あっというまに美形の青年が姿を現した。
「ふう、ありがたい。久々に元の姿に戻ることができた。礼を言うぞ人間よ」
「どういうこのなの? 一体なにが起こっているの?」
智子の疑問に父が答えた。
「お前にもそろそろ話しておいた方がよいだろう。実は父さんも母さんも表向きは普通に暮らしているが、誰にも知られていない闇の顔がある。
この世界で跋扈する魑魅魍魎を退治て回る、妖魔ハンターとしての顔だ」
「よ、妖魔!?」
「そうなのよ、妖魔の存在は脅威だわ。人間を取って喰う。そして、今妖魔たちが結束して、魔王の復活を推し進めている」
「なんなの? それ、わかんないよ。ついていけないよ!」
「ごめんね、智子。でもね、誰かがやらなければならないの。そして、父さんと私の血を濃く受け継ぐあなたにも、妖魔ハンターとしての素質があるわ。
私たちはそろそろ引退。年には勝てなくなってきたわ。これからは智子、あなたが妖魔を退治して、魔王の復活を止めなければならないのよ」
「さっきのリフォーム業者も妖魔ってやつなの?」
「いや、あいつは操られていただけだろうな。妖魔の気配がしたから、注意して付き合っていたが……」
「そうだ、やつはただの人間だ。やつを操っていたのはこれ」
と、元犬の現青年が、手にしているのは、まがまがしく輝く水晶玉のようなものだ。
「それは?」
「魔王の復活にはたくさんの人間の魂が必要だ。それを効率よく集めるために人間を操り、この妖魔玉を使って魂を集めている。
あんな下っ端の存在がこれほど多くの魂を集めているとなると、魔王の復活は間近、もはや止められるものではないかも知れない」
「っていうか、あなたは一体誰? なんで犬になってたのよ」
「こら、智子、口のきき方に気をつけなさい。この方は、伝説の妖魔ハンター、犬山犬夫さんだ」
「ほう、私のことを知っていてくれたかね」
「ええ、それはもちろん。この世界であなたを知らないものはいませんから。今から何百年も前の話だ。その時も妖魔が結託し、魔王の封印を解こうとしていた。
そして、魔王が復活する直前に、それを食い止めたのがこの犬山さんなのよ。それは妖魔ハンターのなかでは語り草になっているわ」
「まあ、その時、魔王にかけられた呪いでずっと犬の姿をしていたがね……。その封印の首輪、生半可な力では解除できないはずだが……」
(一体、なんなのよ、何歳なのよ、この人?)
「それは、幸運でございました。犬山様。わたくしは呪術の解除には多少の自信があるゆえ」
(ってか、お父さんも! キャラ変わってるし……)
「というわけで、娘よ、智子とかいったかな。お前には素質がある。父と母から受け継いだ妖魔ハンターの力がな。だが、今のままでは役に立つまい。
魔王の復活は近い。それを、止める術ももはやないと思われる。残された手段は、復活した直後のまだ力の戻っていない段階の魔王を再び封じることだ。
協力してもらうぞ。それまで俺が面倒をみてやる。修行して、少しでも戦力になってもらわないとな。それに俺の鈍った体を実践レベルまで鍛えなおす必要もある」
「我々にできることならばなんでもお申し付けください」と父。
「我ら家族、犬山様の力となり魔王の封印に少しなりとも力を貸しましょう」続けて母。
こうして、妖魔ハンター智子が誕生して、その後修行して、なんだかめちゃめちゃその素質を発揮して強くなって魔王との戦いに向ってって、その戦いで、父と母を庇って犬山さんが傷ついて戦えなくなって、もはや絶対絶命って時に、智子の秘められた力が暴走してえらいことになって、でもなんだかんだうまくいって、智子の力に犬山の力を上乗せして魔王の封印が成功した。
しかし、魔王は封印されぎわに、真のラスボスである大魔王を魔界から召喚した。
つまり、智子たちは、大魔王と戦うことになるのである。
大魔王は強い。めちゃめちゃ強い。犬山の力を100とすると、封印された魔王の力は5000。魔王も強かった。だから倒すのではなく封印することしかできなかったのだ。
でもって、大魔王の力は百億。しかし、眠れる力を発揮した智子の才能は、魔王を封印した段階で5億6000くらい。
これでは、とても大魔王と戦うことはできない。
仲間を集める必要があるのだ。しかし、現存する妖魔ハンターたちでもその上位に位置するものですら、80とか90くらいの戦闘力しかないといわれている。
しかし、智子と同じく、才能を秘めながら、それに気づいていない妖魔ハンターの卵がいるはずなのだ。
だから、そいつらを集めて、修行して、4人くらい集めて、それぞれが、何十億かの力になれば、大魔王と戦うことができる。
あわよくば勝てる。残された時間は、詳しい説明は省くが、2週間ほど。
2週間以内に、修行しつつ、仲間をみつけつつ、仲間に真の力に目覚めてもらう必要がある。
なので、智子は旅立った。犬山とともに。智子の父と母をそれを見送った。そして、どこかにいるだろう素質あるものを探そうと同じく旅立った。
旅先ではいろいろなことがあった。でも、割合すんなりと仲間は見つかった。3人見つかった。3人とも修行して強くなった。
智子の戦闘力は50億。仲間Aは、安定して30億の戦闘力を発揮する。仲間Bは多少むらっけがあるが、最大で70億の力を発揮できる。
仲間Cは、20億の戦闘力しかないが、回復系の技だったり、サポート力に長け、パーティの力になる。
もはや、戦闘力100の犬山さんは、役立たずになっていた。口調はエラそうでリーダーをきどってはいるが。
大魔王との決戦になった。大魔王は、百億の強さだったはずが、それは何かの勘違いで、実は二兆の強さだった。
これでは勝てない……と、誰もがあきらめかけたとき、あのリフォーム業者がやってきた。彼は、妖魔に操られて人間の魂を集めていたことを非常に後悔していた。
そして、妖魔に操られたことで、その能力が目覚めて、密かに修行を積んでいたのだった。
リフォーム業者の戦闘力は1兆5000億。智子たちと力を合わせても、大魔王には勝てない。
しかし、リフォーム業者は、いちかばちかの命を懸けた大技を用意していたのだ。
自らの命を最大限に燃焼して、3兆ちかい戦闘力になる技があった。
その技を使った。そしたら、大魔王をやっつけた。
命と引き換えにして……。
と思ったら、智子たちが、実はひっそりとリフォーム業者に力を委ねていたので、リフォーム業者も死なずに済んだ。
でもって、大魔王が死に際に、リフォーム業者に呪いをかけようとした。犬になって力が発揮できなくなる呪いだ。
それを、犬山さんが身代わりになって防いだ。
犬山さんが再び犬になった。
で、リフォームの契約は順調に進み、ペット飼育OKにして、智子は新しいマンションで犬山さんの世話をしながら、妖魔ハンターを続けることになった。
リフォーム業者も、サラリーマンのかたわら、妖魔をみつけては退治している。
でもって、妖魔ハンターを続けているうちに、リフォーム業者はとっても痩せて、かっこよくなって、実は、その年齢も二十代半ばで、智子となんかいい感じになって両親と犬山さんも応援してて、なんだかんだで、ふたりは付き合いそうになるのだが、その時、大魔王の手下が二人の前に現れて、実は大魔王は復活してて、隠れてて、大魔王主催の格闘大会を開くから来い! という手紙を持ってきてて、そっから、『大魔王をふたたびやっつけよう大格闘大会』編が始まるのだが、それはまた別の機会に。
grankoyama様、朝早くからお疲れさまでした。
いつもながらのどたばた喜劇、楽しかったです。
これはぜひ、「かきつばた杯」初見の方にも読んで欲しいと思ったので、正式回答いただけてうれしいです。
grankoyama様、いつもありがとうございます。
2012/11/04 10:01:19最初の4コマも小説化しており、また後半も自分の回答とほとんど同じでした。
(自分の正解マンガで、母親がかばんを持ち帰っているのは、あとで警察に届けるためです)
また回答もわかりやすく、誰が読んでも納得いくと思います。
謹んでベストアンサーを差し上げます。