音質について困っています。
サンプリングレートと、ビット深度について、数値が高いほど高品質ということが検索でわかりました。
そこで調べていると、ネットで販売されている音源は、たいてい「44100Hz/16bit」のようでした。
しかし、自分がもっているPCMレコーダーは「96000Hz/24bit」で録音可能です。
ここで疑問があります。
・「96000Hz/24bit」で録音したファイルを、配布用に「44100Hz/16bit」へと変換すると、音質劣化するのでしょうか?
あまり劣化しないなら、高スペックで録音しておいて、そのまま配布して、使う人が自分の目的に合わせて加工したらいいかなと思います。
ですが、ネットで販売されているものが「44100Hz/16bit」がスタンダードのため、何故だろうと感じています。この音質で一般的には十分のようですが、48000Hzの配布も見かけるので、それなら96000でもそのまま配布した方がいいかなあと悩んでいます。
なにかご存じでしたらアドバイスよろしくお願いします。
劣化します。
音楽CDはサンプリング周波数44.1Hz、量子化ビット数16bitで、これがそのままPC用のリニアPCMの規格になっているためです。
WindowsのWAVファイルも、MacのAIFFファイルも、この周波数/量子化ビット数なのです。
つまり、ハイエンドなASIOドライバを導入しない限り、96000Hz/24bitは再生できないのです。(再生ソフトとしては Frieve Audio http://www.frieve.com/frieveaudio/ があります)
また、96000Hz/24bitの音声ファイルを配布しても、それを編集できるソフトがなければ44100Hz/16bitに加工することはできません。
まず大前提として、
http://people.xiph.org/~xiphmont/demo/neil-young.html
音信号の情報量が減るかどうかと、それが地球人類にとって有益であるかどうかは、別問題です。簡単に言うと、CD-DA (16bit/44.1kHz) 以上の情報量は、単純に人間が耳で聞くだけであれば、無意味です。例外はありません。
よって、ただそのまま聞くことだけを想定して完成された音楽であれば、いわゆるHDオーディオは単に容量の無駄遣いであって、害悪でしかありません。正しくマスタリングされている限り、CD-DA で必要十分です。(ただしCDとSACDの差には情報量とは別の論点があり得ます)
一方、音素材をさらに加工する場合の途中段階であれば、余剰の精度が役に立つ場合があります。編集を繰り返せば誤差は累積するからです。ただし実際にはこれも、音素材そのものをHD化せずとも、編集作業中の中間フォーマットだけHD化すれば事足りるかもしれません。
結局のところ、想定される使われ方次第です。迷信に頼る前に、音素材の想定される使われ方を実際に行ってみて、HDオーディオとCD-DA程度とで結果に差が生じるかどうか、最低限ABXにてダブルブラインドテストを行い、ご自身で確認するのが良いでしょう。
・・・というのが、おおむね科学的な返答になりますが、商業的な面でとりあえずデカい方が売れるという情けない現実もあるようなので、その意味では何も考えずにHDオーディオにすればよいです。悪に荷担する覚悟があるのなら。
ハイレートで収録したものをダウンサンプリングしてCD-DAに落としたのと、収録を直接CD-DAで行ったのとで差が生じるか否かは、収録機器の特性に依存します。理想的には差はないはずなのですが、中にはハイレートで収録すると却って特性が悪くなるものもありますし、逆にCD-DAだとまるでデタラメな特性の場合もあります。これは実際に試してみないとわかりません。
一方24bit等のハイビットデプスに関しては、収録時には利用しておいた方が楽ちんだと思います。ゲイン調整にあまり神経質にならずに済むからです。16bitでギリギリで収録しようとして音割れを起こすよりは、少しゲイン低めで24bitで適当に収録しておいて、後からノーマライズ/レベル調整する方が安全確実です。
どうもありがとうございます。
収録機器によるのですね。デプスについても高めでも問題無さそうということで安心しました。一度ダウンサンプリングしておかしくならないか見てから、ハイスペックで録音する、というかたちで落ち着けそうで助かります。
捕捉をします。
『「96000Hz/24bit」で録音したファイルを、配布用に「44100Hz/16bit」へと変換したもの』
と
『「44100Hz/16bit」で録音したものを、そのまま』
では、どちらの方が素材データとして品質が高いのでしょうか?
CD・DVDや映画などで使われる素材音声として配布します。
録音時にどちらで録音し、どの音質で配布するかで悩んでいます。
配布音質はスタンダードのものが適切そうですね。
確かに96kHz/24bitのフォーマットで音ネタを販売してもいいんですが、当然ながら44.1kHz/16bitよりもデータが三倍以上大きくなります。アコースティック楽器の音ネタ、例えばピアノ音源ではサンプル量が10GB以上なんてものが平然と存在するので、さらにこれをハイレゾで収録したらどうなるのか…HDDの容量はともかく、あまりに大きいデータは読み出しに時間がかかるので、演奏に追い付かないなんて事態にもなりかねません。事実、ノートPCの2.5インチHDDは低速なので、こうした大容量サンプルを使う音源をインストールすると、同時発音数が少なくなったり、速度不足でノイズが入ったりすることはよくあることです。ハイレゾじゃないのに、すでにそうなってる。
また収録する時の機材も、それに見合ったものを用意しないといけません。デジタル部分は額面上の数字を上げることは簡単ですが、録音ものはマイクを初めとするアナログ部分が介在するため、ここの品質を考慮せずにただハイレゾ収録しても、サンプルが大きくなるだけでちっとも音質は良くなりません。
そうした諸々のバランスや、過去から使われて普及しているとかもあって、44.1kHz/16bitが最も広く使われる形式になっています。
どうもありがとうございます。
容量の問題が大きいということですね。
素人考えでは、ハイスペックの方がいろいろ使う人は便利そうなのに何故だろうと思っていましたが、実務的な面で配布音源は考慮されているということですね。
たしかに、加工するプロは、大量の音源を抱えて処理することを考えると、無意味なハイスペックは不便かもしれませんね。
44.1kHz/16bitに一律揃っている謎が解けて助かります。
補足に対する回答です。
それは一概には言えません。やってみないと判らないですね。ただ、最終的に44.1kHz/16bitになるのなら、元を96kHzにするよりも88.2kHzの方が変換誤差が生じない分だけ有利だと思います。
なぜなら、デジタルの世界の最小単位はご存知のとおり1bitです。0.5bitと言うのはあり得ません。つまり、少数が存在しない整数で動いているので、ぴったり何倍や何分の一じゃない値への変換を行うと、必ず誤差が生じます。4bitを2bitにするには単純に1/2にすればよく、誤差(余り)は生じません。しかし、4bitを3bitにするには3/4=0.75という中途半端な数での計算が必要です。が、1bit未満はあり得ないので、1/2にして2bitにし、次はそのまま4bitで書き出すといった方法を採らざるを得ません。
(これで見かけ上は6bit、つまり3bit+3bitの羅列に見える)
逆に、小さいデータを大きくする場合の誤差も同じ考え方です。2→4bit変換では2bitのデータを二度繰り返すだけでいいのに対し、3→4bit変換を正確に行うことはできません。この誤差が変換結果の品質を落とすのです。これが一番わかりやすく発生する事例が、パソコンの液晶モニタで推奨解像度以外に設定した時の、絵のぼやけです。音の世界でも、それと同じことが起きうるんですよ。なので、48kHzで録音したものを44.1kHzにすることなどは最低最悪と言えますね。
まあこれは最も基本的な変換を行った場合の話で、実際にはオーバーサンプリングなどの技を使って変換誤差を減らしているため、先の例のような露骨な誤差には至りませんが、原理的に非整数倍の変換時には誤差が出るものだと思っておいた方が安心でしょう。これが明確にどっちと言いづらい理由です。
どうもありがとうございます。
96/48は相性がよくて、44.1は少しはみ出ていますね。
本格的に使う場合は、そのサイズに合わせて録音がベストですね。素材として販売されているものは、サイズを統一して販売しているのは、理にかなっているということですね。
どうもありがとうございます。
2013/02/02 17:56:37PCやCDで最もスタンダードな形式ということですね。謎が解けました。
DVDは「48000」とwikipediaに書いてあったので、それなら48000で素材を売った方が、買う側は両方に使いやすいのじゃないかなあと感じていましたが、実質的に44.1Hz/16bitで品質問題はないようですね。