登場人物がほぼ善人で、お互いに相手のことを思いやっているのにドロドロな事態へ発展するストーリーの作品が知りたいです。
できれば、「最後まで耐えたら奇跡のように分かりあえた」エンドはナシでお願いします。
ジャンルやメディアはなんでもいいので、「どーしてこうなっちゃうんだろう……」「なんで分かってくれないの??」「誰も悪くないはずなのになんで!!」と叫びたくなる作品を教えて下さい!
有名どころでは、『スター・ウォーズ』サーガのエピソード2と3がそんなストーリーだったような。
ファンがストーリーはあまり話題にしないで、もっぱら新作に浮かれてる印象が強いのと、観てみてあまり面白くなかったのでちゃんと覚えてないのが実際のところなんですが…。
オー・ヘンリー「魔女のパン」はいかがでしょうか
http://yuji.cosmoshouse.com/works/loaves/loaves.htm
「……買っていくのは、相変わらず古いパンだけだった。ケーキやパイはもちろん、店の自慢のおいしいサリーラン・マフィンなどは一つも買わなかった。
彼は、日に日にやせ細り、落胆していくように見えた。ミス・マーサは、心では彼のつつましい買い物にもっといい食べものを加えてあげたいと願ったが、実際にそうする勇気はなかった。侮辱したくはなかったのだ。
(略)
ミス・マーサは、この機会に、突然あることを思いついた。
カウンターの後ろの一番下の棚に、牛乳屋が十分ほど前に持ってきた新鮮なバターが一ポンドあった。ミス・マーサは、パン切りナイフで二つの古いパンにそれぞれ深い切れ目を入れ、バターをたっぷり塗りつけると、パンをまた閉じた(後略)」
ロアルド・ダール「誕生と破局:真実の物語」
子どもを次々になくした母親が、再び難産に苦しみながら出産し、神の恵みがこの子にありますように、と祈る…
ちょっとオチが分かってしまいますが、この話
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1343913873
星新一「白い服の男」
一人称で描かれた小説ですが、語り手の男は、世界の平和を守るために一点の曇りも迷いもなく、命がけで職務に邁進し続けています。
ストーリーの概要をAAで表現したものがあります。
(読んでしまうとネタバレなので注意、自己責任で)
http://kakopipe.blog38.fc2.com/blog-entry-631.html
題名を忘れてたからさがすのに苦労した。
星新一 ≪なぞの青年≫
都会のある一画。そのあたりには住宅がぎっしりとたてこみ、住宅でないところは道路で、自動車がたえまなく走っていた。したがって、その辺の子供は遊ぶ場所がなく、日当たりの悪いせまい部屋のなかで、まだってテレビをぼんやり眺めていなければならないのだった。
そこへ、ひとりの青年が現れた。地味な服装で、おとなしく、まじめそうだった。彼は通りの窓ごしに、子供に話しかけた。
「このへんには、君たちの遊び場はないのかい」
「うん、ないんだよ。鬼ごっことか、かくれんぼとか、ナワとびとかを、僕たちは誰もやったことがないんだよ」
「かわいそうに。小さい公園でも、作ってもらえばいいのに」
「大人の人たちだって、そう考えているよ。だけど、お役所に交渉してみたが、ダメなんだって。土地が高いし、そんなお金の出どこがないんだってさ」
子供はあきらめきっているようだった。それに対して、青年は言った。
「よし。僕が作ってあげよう」・・・(後略)
最後に感想
ちょっと範囲を絞るとなかなか難しいけど、政治論的なものだったら、主人公の相手側にも何らかの正義のロジックがあり理想vs理想になる…というパターンは多そう。
ただ、そういう人は野心も描写されるから、まじりっけのない善意や理想「だけ」に限定すると、やっぱりショートショート的なものになるのでしょうね。
ヘルマンヘッセの「車輪の下」はどうでしょうか?
> 「どーしてこうなっちゃうんだろう……」「なんで分かってくれないの??」「誰も悪くないはずなのになんで!!」と叫びたくなる作品を教えて下さい!
登場人物がこういうセリフ言ってくれますし。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%95%E7%89%A9%E8%BE%B2%E5%A0%B4
人間の農場主が動物たちの利益を搾取していることに気づいた「荘園牧場」の動物たちが、偶発的に起こった革命で人間を追い出し、「豚」の指導の下で「動物主義」に基づく「動物農場」をつくりあげる。動物たちの仲間社会で安定を得た彼らであったが、不和や争いが絶えず、最後は理解できない混乱と恐怖に陥っていく。結果的に支配者が入れ替わっただけで、人間が支配していた時以上に抑圧的で過酷な農場となる。
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