20人のスタッフがいるとして各自の仕事効率を求めたいのですが、計測可能なのは複数人で仕事をしたときの仕事効率のみです。
仕事効率は、たとえば100の仕事を5時間でした場合 → 1時間当たりの仕事効率は20といった風に表します。
ただしスタッフは常に複数人で同時に作業し、計測可能な仕事効率は複数人をまとめた値になります。
たとえば、600の仕事を5人、5時間で行ったので1時間当たり、一人当たりの仕事効率は24という風に計測されます。
複数人での実施ですが組み合わせは自由に変更可能で、それぞれの組み合わせの仕事効率を計測できます。
ある日は、ABCDEの組み合わせで効率20、別の日はAFGHIの組み合わせで効率30という風に。
このような条件の場合、ABCD・・・それぞれの仕事効率を算出することは可能でしょうか?
たとえば、ABCDEとAFGHIでダブっているのはAさんだけす。こういった組み合わせを意図的に作って、足したり引いたりすればAさんの仕事効率を求められそうに思うのですが・・。
よろしくお願いいたします。
数学の問題として、いろいろと実務を無視した計算をするのであれば、出来るでしょう。しかし実際の現場でそれをする事は無理でしょうね。
人には「特性」があり、更に言えば「組み合わせ」によりその人の能力値そのものが大きく変わります。指示者が複数だとうまくいかないし、作業者ばかりで指示者がいなければやはり上手く動かない。ツーカーの仲でスイスイ仕事を進められる組み合わせもあるし、犬猿の仲の組み合わせは作業効率が大きく下がるでしょう。
また、作業そのものの効率にしても、人は常に同じ効率で仕事は出来ません。疲労により効率が落ちるケースもあれば、慣れにより前より効率よく進められるケースもあるでしょう。
器用さを求められる作業であればシーフは戦士より作業効率が高いですが、力仕事は戦士の方がシーフより作業効率は高いでしょう。
何事も組み合わせであり、マネージャという仕事はそれを汲み取っていかに作業効率を上げるように出来るかの匙加減の腕前が重要な仕事です。
ABの組み合わせで効率100、ACの組み合わせで効率10、BCの組み合わせで効率10、こうなってしまうと数学的にそれぞれの値を求めるのは不可能でしょう。しかし、現実にはあり得える数字なのです。
時々、マネージャに「実務を無視して計算で労働力を測るタイプ」の方がいらっしゃるんですが、上手く行った試しがないですね。
いわゆる「人月管理は誰かが納得できる数字だから出す」というやつで、現場で納得してる人は居ないし、管理職もほとんどは「人月管理なんて目安だから狂う事はあるよな」と思いつつ承認してるという現実です。
たとえば、ABCDEとAFGHIでダブっているのはAさんだけす。こういった組み合わせを意図的に作って、足したり引いたりすればAさんの仕事効率を求められそうに思うのですが・・。
それぞれの作業効率が独立である場合には変数は人数分だけあることになります。
N元連立1次方程式であれば、式が N本必要です。
上記の場合は、変数が 9 ですので AからIの 9人で異なった組み合わせのデータがあれば連立方程式を解くことで解は算出できます。
求める解は有理数なので解はありそうですが、現実の作業効率を見た場合には常に一定の値のわけはありませんから連立方程式が解けない可能性も十分にあります。
No. 1の例で、各人が独立に均等に仕事ができるとして、強引に連立方程式を立てると、Aの効率を同じ文字Aで表し、BとCも同様とすると、
A+B=100
A+C=10
B+C=10
となり、これを解くとA=B=50, C=-40となります。要するに、出ないのではなく不合理な値が出るのです。そもそもの仮定に無理あるということです。
連立方程式の右辺を変えても数学的には解はあります。もっと一般には変数の個数の連立方程式が必要で係数行列式が0でなければ数学的には解がただ1つ定まります。しかし不合理な値が出ることもあります。
数学の問題が解きたいのか、それともビジネスの課題を解きたいのかで最適な方法は変わってくると思います。
各人のスキルを定数化したいということであれば、ひとりひとりを観察することによって、目標に対する達成度合いはかなりの確度で見極められると思います。
また、大勢が働いており、管理者として常にひとりひとりを見ていられないということであれば、各人に評価ポイントを理解させたうえで、相互に点数をつけさせるというのもやり方としてあると思います。
例えば、Aさんの評価をB、C、D、Fそれぞれが85、80、90、75点と点数をつけらならば、平均をとって82.5点としていくということです。人数が多くなればなるほど、点数のばらつきも少なくなってくると思います。(もっとも、この場合の点数は日本人の場合には、概ね、無難な評価を付けがちですので、そんなに各人に不満が発生することはないと思います。)
数学の問題としては できるかもしれませんが、現実的な話では できません。
複数人で作業する場合、どのような感じでするのかはわかりませんが、
人と人が接する場合、相性というのがあります。
それにより効率が変化する可能性があると思われるからです。
ま、そういうことがなければ、サンプルを多くとれば、だいたいは わかるでしょう。
例
ABCDで 100
ABCEで 110
になった場合、DからEに変わっただけで 10増えたとなります。
つまり、効率がアップしたととらえられます。
このような サンプルが多ければ多いほど、より的確にとらえられると思われます。
まさにシャープレイ値の計算です。
これは、複数人の作業である成果を出した際、その個々人の生み出した価値を表しており、計算する方法が定式化されています。たとえば、複数のメンバーでつくった成果の分配や、逆に、複数人にメリットのある工事の負担の分配の計算に利用されます(複数自治体にまたがるダム建設の費用分配にも用いられたことがあるそうです)。
ただし、厳密には、あるメンバーの生み出した価値を計算するためには、そのメンバーの含まない全組み合わせの成果と、その組み合わせにそのメンバーが追加された組み合わせの成果を知っておく必要があります。
近似解を計算する方法はいくつか提案されていますが、実世界で評価しにくいためか、これだというものはなさそうです。
興味のある方は協力ゲーム理論を調べてみてください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A4%E5%80%A4
みなさん、ありがとうございました。
解決したい問題としては実務上の課題でした。
数学的には、単純な連立方程式でした・・。
(もしくはシャープレイ値の計算によってある程度算出可能というご意見を頂きました。)
皆さんが推測されているとおり、千羽鶴を折る よりはかなり多岐にわたり難しい作業で
毎日同じ作業というわけでも無いですから、機械的に計測するのは難しいことがよく分かりました。
実務的に考えると、マネージャーが観察して最適化するというご意見と360度評価によって解決するというご意見がありました。
計算と言うよりは、「経営工学や品質管理手法,プロジェクトマネジメントのメトリクス」と言うことがよく分かりました。
ありがとうございました!
コメント(8件)
>N元連立1次方程式であれば、式が N本必要です。
→式がN個未満やN個より多い場合でも,最小二乗法で解いて
最適解を出すことはできますね。
一般逆行列・擬似逆行列などを使います。
もっとも,他の方の回答にあるように
その計算の結果で得られた数値に正しい意味があるのか
という疑問は残りますが
式の数が多ければ,近似的に
個人個人の効率・仕事能力「みたいなもの」
を算出できますね。
amazonの倉庫から発注された本を選び出す仕事では
上流も下流もチームも何もかんけいないから個人で計測すればよい。
チーム同士で成績を比べるならともかく、
いきなり個人に落とし込もうとするのはマジ無意味だとおもう。
時間をかけて少しずついれかえてみるうちに
「この2人はセットで扱うと特別にいい結果だ」とかわかるだけ。
個人の作業量に機械的に,正確に均一に分割できるって
どんな仕事でしょうね。
千羽鶴を1000羽1セット単位で,みんなで手分けして作る
とか?
実際には,創造性の求められる作業だったり
流れ作業で一人一人役目が違うので
上のコメントにあるとおり,本当に無意味な割り算なのですが
それでも,道路工事から大多数のソフトウェア開発に至るまで
人日計算が絡む仕事では,こうした機械的な均一化(割り算)が
まかり通っているのが現実ですかね。。
そこでは,機械的に均一にすることもあるし
どうしても均一にできないところは,作業の重みに応じて
比例係数を割り振ってますね。
簡単な作業をする人は×1,複雑な作業は×3のように。
質問者さんは,人日計算や人月計算・単価計算の意味・価値・手法について
もっと調べてみるとよいのかも。
全員をまるごと扱うのではなく
工程ごとにうまく分割し,正当化しやすい係数もいくつか設定した上で
進捗を数値化・見える化してマネジメントに役立てるのは
特に間違ったことではありません
経営工学や品質管理手法,プロジェクトマネジメントのメトリクス
などの分野が関係しています。
そういった単純作業でも、かなりの差がでます。例えばある人が「各工程ごとに人を割り振れば早い」と言って、鶴を折る過程を適切に割り振り、それぞれ人の特性に沿って割り振れば、各人がそれぞれを折るより段違いに早くなります。
逆に、ワガママな人がそういった作業をさせないように動いたり、指示されるのがとにかく嫌だとか、幼稚な理由で反抗したりしたら、まるで進まないでしょう。
この命題に沿うような作業を考えてみて、既に全てがシステム化されていて、順番や手順が動かせないような作業だったら或いはと考えたのですが、休憩や交代の時間の決め方、システムの裏を突くようなやり方など、日本の作業者はそういった部分で高品質・高効率にしてしまう技術が得意なので、多分、この世にそんな作業はないでしょうね。
どうしても計りたい・数値化したいならば,
あくまでグループではなく個人の成績を計る必要がある。
グループで全体として千羽鶴をいくつ仕上げたのか
という数値は,会社の売り上げの見積もりには役立ちますが
グループ内の個人の個別の能力を測るために使うのは無理がある。
もし個人の能力や成績を求めたいならば,
グループの成績以外に,各メンバがいくつの折鶴を仕上げたのか
内訳を申告する必要がある。
もしくは,作業以外の指標を使って評価制度を設ける。
各プレーヤが新人・中堅・上級のいずれなのか
グループではなく個別に評価しておく
(たとえばありがちなのは,各人の勤続年数や経験年数)
先に挙げたソフトウェア開発の例でも,
「グループ全体がやり遂げた人月数から,個別のエンジニアの能力や成績を逆算で推定」
などという計算はまずしないですからね。
どうしても逆算したい,個人をダイレクトに個別に評価する手段がない
というときには,冒頭のコメントの最小二乗法による逆問題解法を使うわけですが
それは数字のアヤ,宝探しのツール,工学上の世界
社会制度とはやや乖離した計算上のツールであって。
そういう逆算的な,回りくどく,直接的でない評価手段が必要になってしまう時点で,
職場の仕組みや人事評価制度・人材雇用マネジメントに問題がある
(個人を正しく評価する仕組みが整っていない)
と言えるかもしれません。
これがもし,職場で雇う数十人~数百人の勤務評価を対象にするのではなく
不特定多数のWebユーザ何万人~を対象にするような場合であれば,
個人個人を評価するための社会的な手段がないので
データサイエンスの道具を駆使し,数値的・統計的に逆算するのがよいですが。
結局、何かしらのルールを作る→評価項目以外は誰もやらなくなる、というパターンになりますよ。
一定数のグループ長(例えば部長など)が「自分のグループの成績を上げたい」と強く思えば、そのルールから行動原理を決めて、会社自体の利益よりルール重視を皆に強要させるなど、よくあるパターンです。皆、会社のためにはならないのでは、と思っても部長命令なので「他の部署の人がやってくれるに違いない」と、本来大切な仕事をやらなくなる。そして実際は誰もやっていない。結果、会社が傾く。
……なんていうパターンが実際に何度も行われています。成果を計算で測ろうとする思想そのものが根本から間違っているんだと思います。
仕事の大原則に,m = measurableというのがありますが
仕事は目標設定を「S.M.A.R.T」にすることで絶対に上手くいく! | MEN人(メンジン)
http://menzine.jp/job/mokuhyousmart0819/
-Measurable(計測可能)
質問者さんは,適切な,良いメトリクスを設定できるといいですね。