集合論の本にはAとBを集合として、AとBが等しいとは、任意の対象xについて、x∈A⇒x∈Bであることと書かれていますが、このときその対象についての範囲は、あらかじめ決めているのでしょうか?。また、もし決まっているのだとすると、どのぐらいの範囲をとっているのですか?
普通の数学では、全体集合があってその中で考えるものです。
全体集合は普通は、実数全体とか、複素数全体とか、n次元実ベクトル全体とかいった形になります。
全体集合ははっきり断ることもありますが、暗黙の了解とすることもあります。
ただし、公理的集合論では「なら、全体集合をどう定義するんだ」ということになってしまいますから、特に全体集合は定めません。
後、全体集合については、物の集まりという認識で、それ以上のことは特に考慮しないというのが、普通の数学の態度だという理解で、正しいですか。
2019/01/28 20:37:22> 以上のことを踏まえると、まず、大抵の集合の等号や、演算、包含関係などは、集合と言い切れる物が、まず存在して、それが必ず何らかの要素を含んでいるという仮定の下で、それを全体集合として、任意の対象などは、その全体集合を範囲に考えているものという理解で、正しいですか。
2019/01/28 21:06:49そういったところです。例えば、
A={x|e^x>1}
B={x|x>0}
のとき
A=B
のように書きますが、断っていなければ普通は不等式が出てくれば暗黙の前提として全体集合は実数です。ですからA, Bを定義する時点でこれらが実数全体の部分集合だということは暗黙の前提です。前提が異なればA=Bとは限らなくなります。
> 後、全体集合については、物の集まりという認識で、それ以上のことは特に考慮しないというのが、普通の数学の態度だという理解で、正しいですか。
全体集合に変なものを考え出すとまずいので市民権のあるものを考えるものです。そうすればその部分集合として上のA, Bのような一定の条件を満たすものを考えることができます。これが分出公理(リンク先参照)の普通の数学の実態に合わせた言い方になります。
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